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第3誘導路裁判、反対同盟・伊藤さんが国・NAAを弾劾

20161102a-1.JPG 11月1日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。天神峰の市東孝雄さんに農地法裁判の上告棄却決定が出されて最初の裁判であり、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地強奪攻撃への怒りをたぎらせ、この日の法廷に臨んだ。
 被告の国と成田空港会社(NAA)はこの間、「原告市東は自らの自由意思で空港敷地にとどまっているのだから騒音を受忍すべきだ」「市東には原告適格がない」などの暴論を吐き、市東さんへの非難をエスカレートさせてきた。弁護団が前回これを徹底的に批判したことに対し、今回国とNAAは認否・反論として準備書面を提出した。

 その内容は案の定「国際空港こそ公共だ」との独善と居直り、住民無視と市東さんへの憎悪・攻撃にあふれたものだった。弁護団は直ちに二つの点について説明を求めた。
 ①国の書面には、「原告市東居宅用地は、土地収用法に基づく収用手続を予定していたものであり、強制的な土地取得が可能であった」と書かれているが、実際には事業認定が失効し、強制的土地取得は不可能になった。まったく事実に反する。
 ②それぞれの書面で「土地収用法に基づく事業認定が失効したことについては不知」としているが、不知(知らない。かかわりない)とは何事か! 成田については、1969年の告示から20年を経過して収用手続きが不可能となった上、93年に空港公団(=NAA)は自ら収用採決申請も権利取得採決申請もすべて取り下げた(成田シンポジウムでの提言を受け入れて)。ここに空港予定地についての事業認定処分は完全に失効した。この歴史の事実を認めないのか!
 国の代理人は「書面記載の通り」「後日あらためて書面で」などと、見苦しい言い訳を繰り返すのみ。裁判長は、「あとは裁判所が書面で判断する」などと精一杯の助け舟を出した。傍聴席からは「この場で答えさせろ!」「裁判長は空港の手先か」と怒りの声が次々と飛び、法廷は騒然となった。
20161102a-2.JPG 原告の一人である反対同盟の伊藤信晴さんが、意見陳述を行った。「10月25日に農地法裁判が上告棄却された。NAAが積み重ねてきた違法には一言もなく、市東さんが丹精こめて作ってきた農地を農地法で取り上げようとは何事だ! さっきから裁判長は国・NAAの矛盾した主張を正そうともせず、訴訟指揮が偏っている。被告は市東さんに向かって”原告適格がない”などとうそぶいているが。ふざけるんじゃない! 市東さんの怒りは全国の労働者・農民の怒りと合致する。反対同盟は市東さんの農地を守り、空港廃港まで闘い抜く」。傍聴席からは大拍手が起きた。
 また弁護団は、「農業を破壊して造られる空港に公共性はない」と厳しく断じた石原健二・元立教大学経済学部教授の意見書を提出した。
 次回期日を2月14日とし、閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が発言し、被告側の無責任、不誠実な主張を解剖し強く弾劾した。特に事業認定失効を他人事のように「不知」と言いなす恥知らずな言動に怒りが集中した。今後も追及の手を緩めず、国・NAAを追い詰めていく決意を鮮明にした。
 動労千葉と「市東さんの農地取り上げに反対する会」が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、「生理現象」で運転士を処分するJR千葉支社を弾劾し、目前に迫った11・6全国労働者総決起集会への大結集を熱く呼びかけた。(TN)

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