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三里塚耕作権裁判―「同意書」証拠価値は否定された!

耕作権裁判勝利へ! 三里塚反対同盟を先頭に千葉市内デモに出発。前列左から伊藤信晴さん、市東孝雄さん、萩原富夫さん(9月25日 千葉市)

市東孝雄さんの農地をめぐる耕作権裁判が9月25日、千葉地裁民事第2部(齊藤顕裁判長)で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民は、「農地死守」の決意も新たにともに全力で闘い抜いた。
開廷に先立つ午前9時、千葉市中央公園において太郎良陽一さんの司会で決起集会が始まった。
最初に東峰の萩原富夫さんが発言に立った。「2月の天神峰農地強制執行のようなことは、二度と許さない! 耕作権裁判は、これからいよいよ証人立証の段階に入る。裁判所は、NAAが出した証拠では土地の位置特定はできないとついに認めた。そして11月から毎月証人尋問が行われる。この中で『市東さんが不法耕作している』などというNAAの訴えがでたらめであり、賃借権が成立していることを証明する。この裁判に絶対に勝とう」
続いて動労千葉の田中康宏顧問がマイクを握り、三里塚との連帯を表しながら「後世の歴史家に、あの時すでに第3次世界大戦が始まっていたなどと書かせてはいけない」と語気を強め、軍拡に走る岸田政権を弾劾し、11・19全国労働者総決起集会への結集を訴えた。
さらに関西実行委、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の連帯発言を受け、太郎良さんのリードで高らかにシュプレヒコールを上げ、市内デモに出発した。

千葉市中央公園で決起集会。「戦争を止め、農地を守り抜くぞ!」

多彩な旗やのぼりを林立させた農民のデモは、出勤途上や開店作業中の労働者などから注目を浴びた。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんが「農地死守、裁判勝利、戦争反対、原発汚染水流すな」の訴えを町中に響かせた。
千葉地裁の各門・各入口には職員・警備員が張り出して警戒し、デモに対しては千葉県警の機動隊が並進して規制をかけるが、こうした圧力を打ち破って地裁に迫るデモ行進をやりぬいた。
午前10時30分開廷。
裁判長は、9月8日の進行協議の場で以下のことを結論的に明言した。――原告NAAが裁判所の文書提出命令に従わないことで、「同意書」「境界確認書」によって賃借地の位置の特定はできない、と。
これは重大な勝利だ。この裁判の最も主要な争点である同意書、境界確認書の信用性、証拠価値について、裁判長が「ない」と認めたのだ。この二つの文書に添付された地図だけが、原告NAAの土地の位置特定の唯一のよりどころになっていた。だがこれらにまつわる関連文書・資料(空港公団用地部で当時に作成されたはずの報告書など)について「ない」と強弁し、「担当者は死んだのでわからない」としらを切るのがNAAだ。そんな怪文書に等しい同意書、境界確認書を「証拠として認めろ」などという横暴が裁判所に否定され、敵の主張の最重要論点がついに崩れてしまったのだ。

南台耕作地地図。現在市東さんはA、B、C、Dを一体で耕している。戦前からのもともとの市東家の賃借地はAとB。NAAは「E1とBが市東家のもともとの耕作地だ」との誤った認識に固執し続けている

しかし、それは自動的に市東さん側の勝利を意味するものではない。裁判長は、被告・市東さん側の責任で賃借地の位置、その土地の賃借権の存在を立証することを求めてきたのだ。
その成否をかけて、次回期日以降、人証調べ(証人尋問、本人尋問)が行われる。
この日の法廷では、当面する期日と証人採用、各証人の陳述書提出などが確認された。
証人尋問の第1回は11月13日、元空港公団用地部職員の法理哲二と航空写真鑑定家。
第2回は12月18日、賃借地時効取得問題についての専門家証人。
第3回は、来年1月22日に反対同盟法対部で活動していた元永修二氏。
(いずれも午後1時45分開廷)
元永氏は1988年当時、市東東市さん(孝雄さんの父・故人)から賃借地の位置や耕作現況を直接聞きとって詳細な報告書(元永メモ)にまとめた。齊藤裁判長は元永氏について「最も重要な証人と考える」と述べた。
まずは、次回の法理への尋問だ。当時空港公団用地部において、反対同盟切り崩しのために動いていた最も主要な人物の一人だが、NAAは当初この男の安否・所在さえ明らかにしようとしなかった。
しかし反対同盟裁判事務局の入念な調査によって、ついに法理の現住所が突きとめられたことを、弁護団はNAA代理人に突きつけた。前日に電話で応対した法理本人は「自分は石橋さん(元反対同盟副委員長、天神峰)を担当していたので、市東さんにはかかわっていない。全然知らない」と言い張り、また、NAAの法務担当の「キクチさん」が、当時動いていた用地部の人間と連絡を取り合っているはずだからその人に聞いてくれ、とも述べた。
「そのキクチという人が証言可能であるなら、当然尋問の機会をいただきたい」と弁護団が求めると、キクチの名前を聞いて顔色を変えたNAA代理人・上野至は、「法理さんは勘違いか何かで自分に都合のいいことを言っているのではないか」と震える声で言った。明らかにうろたえた、意味不明の言動だ。
途端にそれまでの静寂が破れ、60以上の傍聴席を埋めた人々から上野の証拠隠し、証人隠しの態度に怒りの声が殺到した。

裁判後、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた

今後の期日を再度確認してこの日は閉廷した。
報告集会が、伊藤信晴さんの司会で千葉県弁護士会館で開かれた。最初に市東さんがあいさつに立ち、「いよいよ人証の段階です。傍聴のみなさんの力が大事。NAAを追及して闘っていきましょう」と述べた。
続いて弁護団がそれぞれ発言し、「同意書、確認書の証拠価値なし」を認めさせた勝利を確認した。しかし油断大敵だ。裁判長はもはやNAAにとって不利な材料にしかならない同意書、確認書に見切りをつけ、別の農地強奪の理屈をどこかから持ってくるかもしれない。
市東家の賃借権証明のために、特に古くからの三里塚活動家の方々は、東市さんが耕していたころの情報をありったけ寄せてほしい旨の強い訴えが、弁護団からなされた。
連帯発言として、全国農民会議共同代表の小川浩さんは、24日に群馬県高崎市で市東さんを招いて開かれた農地取り上げと戦争を考える集会の模様を報告し、ともに市東さんの農地を守り抜く決意を表した。全学連の学生は、2月の強制執行阻止闘争をはじめ三里塚実力闘争の中で育まれた力で、戦争を阻止することを誓った。
最後に伊藤さんが、目の前に迫る10・8全国集会(成田市赤坂公園)への大結集を呼びかけた。(TN)
スケジュール
◎10・8全国総決起集会 10月8日(日)正午 成田市赤坂公園(成田ニュータウン内)
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

千葉市内デモ

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