鈴木さん一坪裁判、訴訟受継問題で全面対決
3月10日、千葉地裁で鈴木さん一坪共有地裁判弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木さん一家が共有する駒井野の一坪共有地について、千葉県が明け渡しを求めている訴訟だ。もともと鈴木幸司さん、いとさん夫妻が共有者だったが、幸司さんが昨年亡くなったことで長男の謙太郎さんとその妻加代子さんが持ち分を継承した。訴訟についても引き継ぐことを申し立てた。
ところが原告・千葉県は加代子さんの訴訟受継について「認められない」とまったく不当な言いがかりをつけてきたのだ。
もともと一坪共有地は空港反対運動のために地主から「三里塚地区周辺に土地をもつ会」(一坪共有運動の組合)に提供されたもので、謙太郎さん、加代子さん夫妻が引き継ぐことはまったく正当だ。その会則では「会員の死亡時は共有地の持ち分は空港反対の意思を持つ者を指定して取得させる」と明記されている。そもそも県のように、共有権を金で買いあさることこそ、不当であり認められない。
法廷では反対同盟顧問弁護団が、この土地を「成田国際物流事業の複合基地」にしようなどという県のバラ色の計画がとっくに破産し、一坪共有地強奪には一かけらの「公共性」もないことを突きつけた。結局千葉県の「計画」は、土地を取り上げたら造成して空港会社(NAA)に売り飛ばすだけという、まさに地上げ屋と同列のものだ! 県は「その後も事業を管理する」などと書面で弁解しているが何の具体性もなく、「結局NAAに転売するだけだろう」と弁護団から追及されても口をつぐむだけだ。
訴訟受継問題について仲戸川隆人裁判長は、「この時点で裁判所が判断することは可能だが、双方の意見を聞いてからそう遠くない時期に判断する」などと、まわりくどく述べた。現闘本部裁判で違法の限りの訴訟指揮を繰り返し反動判決を出したこの男の「判断」がいかなるものになるかは容易に想像がつく。だがこの日は反対同盟、弁護団、傍聴の労働者・学生の農地強奪攻撃への怒りに圧倒されて、仲戸川は先送りにして逃げたのだ。
次回期日は6月9日。
閉廷後、裁判所内の控え室で総括の会合がもたれた。弁護団の解説に続き、鈴木謙太郎さんが「私と加代子の受継を認めたら、三里塚に土地を持つ会の存在を認めることになる。あの仲戸川が簡単に認めるとは思えないが、ここはがんばりどころだ」と闘いの意気込みを表した。鈴木いとさんも笑顔で「がんばります!」と簡潔に決意を示し、温かい拍手を受けた。最後に萩原進事務局次長が、「3・27全国集会目前で反対同盟も各地をまわっている。現地闘争、裁判闘争を闘い3・27への大結集を」と呼びかけ、締めくくった。(TN)
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