CCUのJAL解雇撤回訴訟第1回口頭弁論、400人がともに地裁前に決起
3月11日、東京地裁民事第11部で日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)組合員72人を原告とする日本航空客室乗務員不当解雇撤回訴訟の第1回口頭弁論が開かれた。原告団長であるCCU委員長、内田妙子さんが意見陳述に立ち、「『解雇』という2文字が書かれたたった1枚の紙を手にした時の失望感。尊厳が踏みにじられた瞬間でした。その強烈な記憶と『解雇』という言葉が頭をよぎる時、涙があふれる日々を過ごした被解雇者たちですが、再び乗務することをあきらめるわけにはいきませんでした。なぜなら、余りにも理不尽で不当で非情な解雇だったからです。……72名は敢然と闘う決意を固め、原告となりました」と、整理解雇撤回へ闘う固い決意を表明した。
内田委員長はまた、日航の合理化と組合分裂攻撃によって72年以来の6件の墜落事故で735人の命が奪われたことを挙げ、日航の経営破綻、安全崩壊・事故頻発は、放漫経営と労組破壊を強めた経営陣と政府にあると断言、組合員に責任転嫁する会社を弾劾した。そして、165人の整理解雇後の今年2月11日に乱気流で乗客乗員4人が重軽傷を負ったことは「大事故の予兆だ」と警鐘を鳴らした。安全軽視、合理化・営業優先・利益第一、労働組合破壊の現日航を痛烈に批判し、「安全運航の確立」へ「一日も早い職場復帰を」と訴えた。解雇撤回・原職復帰、反合理化・運転保安の闘いの普遍性、不可欠性、そうした課題に取り組むCCUはじめ労働組合の存在意義、重要性をあらためて確信させる感動的な陳述だった。
閉廷直前、大地震が起こった。大揺れの中、原告のCCU組合員が即座に「ドア確保」と叫び、別の組合員が出口確保に動いた。さすがベテラン乗務員、と思わせる機敏で的確な対応だ。こういう労働者の首を切るなんて絶対に許せないという思いが募る。
開廷前、CCUを先頭に地裁前宣伝行動が行われた(写真①②)。日航乗員組合をはじめ航空労組連絡会、全労連、全労協、労組交流センター女性部、婦人民主クラブ全国協などの支援共闘諸団体、約400人が参加。3・20反戦デモと法大不当処分粉砕を訴える全学連も支援行動に参加した。
乗員組合員で原告の徳永さんがCCUとともに闘う決意を表明、「解雇の必要もないのに解雇した」とうそぶく稲盛JAL会長を弾劾した。続いてCCUの宮井副書記長が闘う決意を述べた。「日航再建のためとして多くの人が希望退職を強要され、泣く泣く辞めた。昨年大みそかに客室乗務員84人、パイロット81人が整理解雇された。会社の人員削減目標を超えていたにもかかわらずだ。今現場では、多くのベテラン乗務員がいなくなり、心の余裕のないなかで乗務している。保安よりサービスが優先されている。病欠を基準に首を切ることで、体調が悪くても休めない雰囲気が職場に蔓延している」と、不当解雇、安全無視の日航当局を怒りをもって弾劾し、「原告全員の復帰、整理解雇撤回の決意を新たにしている」と溌剌として述べた。意気軒高としたアピールに後押しされ、客室乗務員原告団が「不当解雇を撤回せよ」と書いた横断幕を先頭に入廷した。(写真③)
JAL不当解雇撤回闘争は、国鉄1047名解雇撤回、反合・運転保安闘争路線で闘う動労千葉、国鉄闘争全国運動を大きく発展させる戦略的な闘いだ。さらに支援行動に駆けつけよう。(KW)
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