三里塚団結街道裁判―廃道決定の最高責任者・小泉市長を証人喚問せよ

団結街道裁判閉廷後の報告集会で「小泉成田市長の証人採用を絶対にかちとる」と反対同盟顧問弁護団が決意を述べた（２月７日　千葉市）

２月７日、千葉地裁民事第３部（内野俊夫裁判長）で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地死守の気概に燃えて闘った。
団結街道（成田市道・天神峰―十余三線）は、天神峰の農家・市東孝雄さんにとって、自宅と南台の耕作地を直線で結ぶ、日々の農作業に必要不可欠の道路であった。市東さんだけでなく、一般的にも利用者が多い重要な交通路であった。その団結街道をこともあろうに成田市は、２０１０年６月に夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、土地を格安で成田空港会社（ＮＡＡ）に売り飛ばすという暴挙に及んだ。その違法性を徹底的に追及するのがこの裁判だ。
弁護団は、廃道の最高責任者である小泉一成成田市長の証人喚問を一貫して要求しているが、成田空港会社（ＮＡＡ）と結託した裁判長は、言を左右にして応じようとしない。

成田空港の第３誘導路建設のために団結街道が破壊された。以降、市東さんは南台の畑に通うために３倍もの道のりの迂回を強いられている

今回弁護団は、２００９年の「４者協議会」に向けて行われた成田市の庁議の会議録、市とＮＡＡの協議の議事録などについて文書提出命令を申し立て、被告・成田市を追及した。
成田市は、この０９年７月の４者協議（国交省、ＮＡＡ、千葉県、成田市など関係市町）の場で初めて、団結街道廃道が協議され合意されたと説明するが、それはうそだ。４者協以前に、市はＮＡＡから空港の第３誘導路（西側誘導路）建設のために、団結街道廃止を要請されそれに唯々諾々としたがったというのが真実だ。実際にその後あわただしく１０月には「廃道」が庁議に起案され、まともな議論や検討もなく交通量調査も一切行わず既定の方針とされ、翌年３月には市議会で「廃道」議決が強行される。
市民の利益を保護すべき行政が、当事者中の当事者である市東さんの了解もとらず、一民間企業の求めに応じて、市民が日常的に利用する道路の廃止を勝手に決めて進めていたのだ。道路法も無視したこの暴挙を「政治案件」として進めた最高責任者が、小泉市長その人だ。
内野裁判長はこれまで市長の証人採用について結論を出さず、代わりに被告・市に催促して元成田市道路管理課主任・松本光平を証人として呼んでごまかそうとしてきたが、そんなことは絶対に許さない！
弁護団の気迫と、それに呼応した「小泉市長をここに呼べ！」という傍聴者の怒りの声が廷内を圧倒したが、今回も内野裁判長は聞こえないふりをして終始視線を下に向けたままで、次回の期日を６月２６日と指定して閉廷した。
近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷を解説し、小泉市長の証人喚問をなんとしても実現する決意を表した。また、安倍内閣が１月３１日の閣議で、東京高検の黒川弘務検事長の定年を延長して検事総長に据えようとしていることを、重大な脱法行為として厳しく弾劾した。（黒川は「官邸のお庭番」とも揶揄される安倍の手先。）
動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、反対同盟との労農連帯を強めて３・２９全国総決起集会へ向けて闘う決意を述べた。
最後に伊藤さんが、市東さんの３・２５―２７請求異議裁判控訴審（東京高裁）から３・２９全国集会への総決起を訴えて、締めくくった。（ＴＮ）

◇三里塚闘争スケジュール
◎第３誘導路裁判
３月10日（火）午前１０時３０分開廷　千葉地裁
◎新やぐら裁判
３月１８日（水）午後１時３０分開廷　千葉地裁
最終弁論

◎請求異議裁判控訴審
３月25日（水） 午後２時開廷　東京高裁
市東孝雄さんへの本人尋問など
（開廷前に霞が関デモ、要望書提出を予定）
３月27日（金） 午前10時30分開廷　東京高裁
最終弁論

◎３・２９三里塚全国総決起集会
３月２９日（日）正午　成田市赤坂公園
集会後成田市街をデモ行進