香港 航空、鉄道でもスト突入へ 労働者の力で命と安全守る
新型コロナウイルスが拡大する情勢下で、「中国と香港の境界の完全封鎖」や医療現場の安全対策などを求めた医院管理局労働組合のストライキは、2月3日から5日間にわたって戦闘的に闘い抜かれた。「患者を人質に取るな」などの激しい罵倒に屈せずに闘った青年医療労働者の闘いは、継続ストには至らなかったものの画期的なものとなった。同組合は予想される大弾圧と対決するために直ちに「武漢肺炎防疫抗争基金」運動を開始している。
この医療労働者の歴史的なストライキが生み出した情勢の中で、昨年来結成された新組合を中心に労働組合が続々と新たな闘いに入っている。香港鉄道の新労働組合である「香港鉄道新動力」(組合員数750人)はこの間、中国(大陸)との境界の駅の全面封鎖を鉄道当局に要求して闘ってきたが、7日に特別組合員大会を開催し、総投票数171票の内119票の賛成でスト権を確立した。鉄道当局と10日に交渉を行い、決裂したらストライキに突入すると決定した。
また、航空乗務員の組合であるキャセイドラゴン航空労働組合は、キャセイパシフィック航空とキャセイドラゴン航空の中国への飛行の暫定的停止を要求しているが、8日に特別組合員大会を開催し、やはりスト権を確立した。翌9日にはストへ向けて団結を固めるために「みんなで飛ばない」集会を開き、「ウイルス運輸網をつくらない」などのシュプレヒコールをあげた。すでにキャセイドラゴン航空では乗客2人が感染しており、6人の同僚が隔離されている。「ストライキは違法である」とする当局のストつぶしを防ぐために、日程をあらかじめ明らかにしない「突撃ストライキ」とすることにした。
さらにホテル労働組合は、ホテル従業員の安全確保と「中国と香港の境界の完全封鎖」などを要求して闘っており、これを政府が受け入れない場合は現場闘争に入ると宣言している。
香港はストライキの時代に突入した。香港の闘いは、新型コロナウイルスの拡大情勢の中で、普通選挙の実施や不当逮捕者の解放を求める「五大要求」を貫き、労働者の命と安全を守るために新たな労働組合を次々と結成・拡大し、ストライキをも含めた闘いに青年労働者が先頭で決起している。まさに労働者の力で香港政府、中国政府を倒し、未来を切り開く闘いが始まっているのだ。
一方で、普通選挙の実施や不当逮捕者の解放を求める街頭闘争も激化している。昨年11月8日は、警察の弾圧で駐車場ビルから転落したとみられる周梓楽さんが死亡した日だが、3カ月後の2月8日、周さんを追悼する集会が転落した現場周辺で行われた。警察は徹底的に弾圧し、区議会議員5人を含む男性94人、女性23人を逮捕した。だが、弾圧をものともせずに闘いは前進している。
国際連帯が今こそ求められている。闘う香港の労働組合、労働者、学生と連帯して闘い抜こう!
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