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高崎に市東さんを招いて集会―農地取り上げと戦争を考える

群馬県高崎市で三里塚反対同盟・市東孝雄さんを招き「農地取り上げと戦争」をテーマに映画&講演集会が開かれた(9月25日)

9月24日、群馬県高崎市で、三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんをお招きして「農地とりあげと戦争を考える映画&講演会」が開催された。「本当に戦争を止める」闘いへと大きく踏み出す熱気に満ちた集会だった。
「高階(たかはし)文庫」の高階ミチさんが主催者あいさつを行った。「未来を担う若い人たちのために17年積み重ねてきた、群馬・市東さんの農地を守る集会。軍事空港化を止める意義が大きい」と強調される。
DVD「三里塚2023 天神峰農地強制執行との激闘の記録」が上映された。2月15~16日の闘いに会場の全員が引き込まれる。私も初めて見る大画面での映像に胸が熱くなる。実力闘争の持つエネルギーのすごさ。何百人もの完全武装の機動隊に素手で立ち向かう。機動隊を押しまくって盾を奪い、防具をはぎ取り、飛び上がって喜ぶ。この実力闘争の思想の新鮮な息吹に会場は魅了された。後に発言された三里塚現闘の方も「自己解放的」と話されていたがその通りだと思う。

2月天神峰強制執行との激闘の記録映像に参加者全員の目が釘付けに

『レ・ミゼラブル 民衆の歌』などの歌とピアノ演奏をはさんで、田島俊昭さんが『農地強奪と戦争 群馬ではどうだったか?』と題する講演を行った。
講師は、「戦争はどのように始まるか」と問うて始めた。農地が奪われる時に戦争が始まる。明治初期にゼロだったのが、どのように群馬で約4500ヘクタールもの土地が軍に奪われたかを暴露した。明治期「中野秣(まぐさ)場闘争」で、農民1千人が鎌・竹槍・猟銃で武装し軍隊・警察隊と闘った。今の相馬原駐屯地だ。
今は原研などがある群馬の森となっている「陸軍岩鼻火薬製造所」(※)も、「憲兵から『国のために買い上げに反対する者は国賊だ』といわれ」「うちの祖父が怒って押しかけて行って、三日も牢に入れられた」(当時の小中学生の文集より)と農民を弾圧し作ったのだ。
農地がとられたその次は人がとられる。命がとられる。1945年7月、高﨑第215連隊が行ったビルマ(ミャンマー)の「カラゴン村虐殺」で、600人以上の村民(子どもだけで260人)が殺された。
国内では、配給制で商店は必要ないと店じまいさせて軍需工場に動員。今日の集会会場(高崎市中央公民館)も、10代前半の女学生が風船爆弾の火薬装填工場に動員された女学校の教室と知って驚いた。

田島俊昭さんが講演で、群馬県における戦争動員・戦争動員とそれと実力で闘った民衆の歴史を詳細に解き明かした

「しかし人民は黙って従ったわけではない。その闘いを引き継いで三里塚闘争があり、昨日の9・23東京集会でもビルマ人民との国際連帯闘争が始まっている。ここに戦争を止める力がある。今日の話は昔のことではありません。再び始まっている中国侵略戦争を、今度こそ止めよう」と、講師は10~12月の改憲・戦争阻止!大行進・ぐんまの具体的行動をよびかけた。
いよいよ市東さんの登場だ。
市東さんは翌日千葉地裁で行われる耕作権裁判について、「100年耕している土地を奪おうとしているNAAと政府」を弾劾。「裁判官はこちらの話を途中までは聞いたふりをしてるんですよ。しかし最後、判決のときになると、特に国策のときはコロッと変わるんですよ」と話し、会場の誰もが深くうなずく。「今年の夏の暑さで虫や草も大変でしたが、除草剤を使わず皆さんにおいしいと言ってもらえる喜びでやってます。第3滑走路を皆さんの税金で作ろうとし、防衛相が『軍事で使う』と明言する。10月8日の全国集会、三里塚に来れる方は来ていただきたい」と訴えられた。映像の中でもビニールハウスや作業小屋が再建された様子が映し出され、第2ラウンドの闘いの勝利を誰もが確信した。

集会の最後に再び市東さんがマイクを握り、「これからもみなさんとしっかりつながって闘っていく」と決意を表明

会場からの発言も市東さんの闘魂と実力闘争の息吹に触発され熱気に満ちたものになった。三里塚にかかわるきっかけとなった羽仁五郎の「パリコミューンがここにある」という言葉を引いて新たな決意を語られる方。群馬の「無産強戸(ごうど)村」の闘いと「工場制度は社会革命の出発点」(ロバート・オーエン)に触発され、群馬合同労組で闘うと語られる方。今日の会場が移転前の旧校舎である高崎女子高の卒業生は、「私が教えている子どもたちに早速、今日の話を伝えたい」と。流通企業ベイシアとの春闘団体交渉に立ち上がり賃上げを実現した群馬合同労組の労働者は、カンパを市東さんに渡しながら「三里塚の闘いが私の原動力になった」と話された。
今日の集会の影の立役者は全学連かもしれない。実力闘争の思想で具体的に戦争を止める闘いに起とう。10・8三里塚集会から10月反戦闘争、11・19全国労働者集会へ組織しよう。
(群馬・小林亮)

※1982年(明治15年)から45年の敗戦まで、高崎に陸軍岩鼻火薬製造所が存在し、黒色火薬や無煙火薬などが製造された。現在の「群馬の森」とそれに隣接する①日本原子力研究所開発機構高崎量子・応用研究所、②日本化薬(株)高崎工場などの広大な一帯を占めていた。
①の前身は1956年に設立された日本原子力研究所(JAERI)で国産原子炉の開発を目指したが頓挫し、2005年に解散。現在は独立行政法人の形で放射線研究を続けている。
②は薬の生産がメインだが、現在も火薬製造を続けている。

スケジュール
◎10・8全国総決起集会 10月8日(日)正午 成田市赤坂公園(成田ニュータウン内)
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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