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日機労組 ストで「官製春闘」打破 動労総連合と連なり勝利

20150410d-1.JPG 日本機械工業労組(東京・八王子市)は、一丸となってストライキで「官製春闘」を打ち破り賃上げをかちとった。
 15春闘は昨年に続いて「官製春闘」と呼ばれ、3月18日の金属労協の大手労組集中回答日には3千〜4千円のベア回答が出された。トヨタは定期昇給分を合わせて1万1千円台となった。だが製造業で1千人以上の大企業は全体の0・2%にすぎない。圧倒的多数の民間中小製造業は大資本の支配下にあり、「アベノミクスの恩恵」にすらあずかれない。定期昇給もなく「官製春闘」も通じない。資本は労組に新自由主義的な意志を激烈かつ鮮明に表してくる。

 JAM傘下の日本機械工業(日機)労組は、昨春闘で賃金カットの全額解消をかちとった地平を引き継ぎ、15春闘において本格的な賃金闘争を開始した。日機労組は、資本による「累積赤字」を理由にした低賃金の強制に対し、「賃金構造維持分を取り戻せ」という闘いを起こした。
 賃金構造維持分は、現在の賃金カーブを維持するのに必要な金額であり、毎年、1歳年上の先輩の賃金水準に達することのできる、ある種の「定期昇給」だ。定年退職者の労務費を内転させるだけであり、賃金構造を維持しても「総額労務費は不変」だった。だが日機資本は、総額労務費の削減で利益を生み出し赤字を解消してきた。だから賃金水準を固定化して利益を圧迫することは資本としては受け入れられないものであった。
 実際、日機資本は、利益の確保のために「1円も惜しむ」がごとく、初回回答を崩さなかった。強固な対応で屈服を迫る資本に対し、組合は3月23日に残業・出張拒否突入集会を開いて残業拒否闘争に突入した。それでも初回回答を変えない資本に対して拡大闘争委員会で闘争戦術を議論した。
 「賃金構造維持分を出さないなら行動しかない」「一歩も引かない覚悟でやろう」「賃金構造維持を確保するのが争点であり、会社も逆の意味でそうだろう。ここで確保できるかが重要だ」「構造維持分は大事な問題だ。組合一丸となってやるべきだ」。委員会では組合員の怒りにあふれた意見が続出し、ストライキ方針が決議された。
 組合は24日に1時間のストライキを敢行した。スト突入集会では全組合員が集まるなか、執行部全員が決意表明を行い、会社の役員室前で「低額回答は許さないぞ!」とシュプレヒコールをたたきつけた。ストライキは2年前に敢行したばかりであった。
 組合員の怒りは強烈なインパクトを資本に与えたが、利益確保の姿勢は崩れない。組合は再び3月26日の午前中の指名ストと午後からの全面ストを背景に交渉に臨んだ。その結果、初回回答から1200円引き上げる11年ぶりの水準となる4200円を引き出した。賃金構造維持分には届かなかったが実力で賃上げをかちとったのである。
 動労千葉や動労水戸、動労西日本、そして動労神奈川のストライキが労働者階級の最先端で闘われることで中小民間労組のストライキ闘争も爆発する。日本機械労組のストもそうである。ロシア革命のように、ストライキにはストライキで連帯する階級情勢が生まれるのだ。その無限の可能性を秘めている国鉄闘争の勝利をかちとりプロレタリア革命を実現しよう。(三多摩労組交流センター 山口弘宣)

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