旭硝子解雇撤回闘争勝利へ、韓国で連帯集会開く
9月5日、韓国・亀尾(クミ)市の日本企業・旭硝子(ガラス)の工場前で、旭硝子社内下請け労組の解雇撤回闘争に連帯する集会が開かれた。旭硝子の社内下請け会社GTSで働く非正規職労働者が初めて労働組合を結成してから、この日でちょうど100日だ。
労組結成のわずか1カ月後、元請けの旭硝子資本はGTSとの業務契約を突如として打ち切り、そこで働いていた労働者170人全員を丸ごと解雇する攻撃に出た。このあからさまな労組つぶしの攻撃に対し、組合員は怒りを爆発させて工場門前でのテント籠城闘争に突入。7月には日本に代表団を送り、東京駅前にある旭硝子本社への抗議行動をも展開した。動労千葉は支援要請に応えて全力でともに闘った。そして今、50人の組合員が金銭和解による懐柔や脅しをもはねのけ、団結を守って不屈に闘いぬいている。
この日、籠城闘争の現場には、民主労総のチェジョンジン首席副委員長を先頭に約500人が全国から集まった。とりわけ現代重工社内下請け支会や現代自動車非正規職支会、起亜自動車、キリュン電子など、各地で非正規職撤廃闘争を闘いぬいてきた労組や、サンヨン自動車をはじめ解雇撤回闘争を闘いぬいてきた労組がこぞって結集した。
その中には、非正規職の正規職化を求める闘いを長期にわたって貫き、裁判でついに不法派遣を認定させる判決をもぎとった現代自動車のチェビョンスン氏や、400日を超える高空籠城闘争を闘いぬいてこの7月、解雇撤回の歴史的勝利をかちとったスターケミカルのチャガンホ氏、さらに動労千葉と交流してきたチョンテイルを継承するサイバー労働大学のキムスンホ先生の姿もあった。
参加者は、地元の金属労組KEC支会などと合流して、午後3時から亀尾駅前で街宣活動を展開したのち、旭硝子工場前に移動。正門前で集会と文化祭を開き、激化する解雇攻撃を労組の団結で打ち破っていく闘いを、亀尾から全国に拡大していこうという熱い決意を打ち固めた。
旭硝子社内下請け労組のチャホノ委員長は、「労働組合をつくろうと仲間に呼びかけた時、首を切られる恐れはないのかと聞かれて、労働組合の設立は憲法で保障されていると答えた。ところが旭硝子は1カ月後に私たちが働く下請け会社GTSとの契約を丸ごと解約した。これが今の韓国における労働者の現実だ」と弾劾した。そして「だが民主労組は簡単には壊れない。亀尾市に初めて誕生した非正規職労働者による労働組合として誇りをもって闘い、組合を守りぬく」と断固とした決意を表明した。
亀尾市はパククネ大統領の本拠地だ。旭硝子資本は亀尾市から土地の50年間無償供与、国税5年間・地方税15年間全額免除の途方もない特恵待遇を得て操業してきた。ガラスメーカーで世界トップの座を占める日本の旭硝子は、韓国政府と市当局に庇護されたこの「資本天国」のもとで、非正規労働者を9年間も法定最低賃金しか支給せずにこき使う強搾取によって法外な利益を吸い上げてきたのだ。だが今、闘う労働組合の登場は、この全構造を根底から覆す巨大な闘いへと発展しつつある。
日韓労働者の連帯をさらに強め、旭硝子解雇撤回闘争の勝利へともに闘おう。(千)
写真は上から旭硝子工場正門前での集会、律動を行う旭硝子社内下請け労組の組合員、文化祭で工場に向けロケット花火を打ち上げる労働者。
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