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出向延長を徹底弾劾 動労総連合強制出向無効確認訴訟

20150918b-1.JPG 動労総連合強制出向無効確認訴訟の第12回口頭弁論が9月11日、東京地裁民事第11部(佐々木宗啓裁判長)で開かれた。
 その前日、JR東日本は検修業務の外注化により強制出向に出されている労働者に出向延長の事前通知を発令した。千葉、高崎支社では1年、水戸支社では3年の延長だ。「出向期間は3年」と言ってきたのはJRだ。その出向期間を延長すること自体、外注化の全面破綻を示している。

 法廷で原告代理人弁護団はまず、「出向が延長されるなら実質的な転籍だ。出向命令自体の無効は明白だ」と断言した。
 さらに、JR東日本で続発する事故の原因が外注化にあることを、4月12日の支柱倒壊事故、6月1日の工事用看板と電車との衝突事故を例にとって具体的に突き出した。また、2月には勝田車両センターで、列車が車両止めに乗り上げて脱線する事故が起きている。外注化以前は構内運転士、検修係、誘導係が打ち合わせをし、細かい作業手順を意思統一して作業に当たっていたが、外注化により作業はJRと外注会社に分断され、事前の打ち合わせもなくなった。これが事故を引き起こした原因だと、原告側は詳しい主張を展開した。
 その陳述に追い詰められた裁判長は「これで原告の主張はまとまったのか」と述べて早期結審の姿勢をあらわにした。だが原告側は「さらに被告の主張に反論する」と述べて反撃した。被告のJR東日本も、出向延長の問題を突きつけられ、「反論の書面を出す」と言わざるを得なくなった。原告側はまた、「裁判を大法廷で行え」と強く求めた。
 裁判後の総括集会で、代理人弁護団は「出向延長で出向命令自体が無効状態に入った。この裁判でJRをそこまで追い詰めた」と強調した。
 動労千葉の関道利執行委員(幕張支部)が、出向延長の事前通知の受け取りを拒否し、管理者を追及した職場の闘いを報告、外注化粉砕の決意を示した。出向解除を口頭で通告された幕張支部の渡辺剛さんは、「JRに戻っても仕事がない。仕事をJRに取り戻す以外にない」と怒りを燃え立たせた。動労水戸の石井真一委員長は、外注会社のプロパー(直雇い)社員が単独で業務ができるようにはなっていない現状を報告し、「外注化は全面破綻した」と喝破した。動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長は、「明日、動労総連合の先陣を切ってストに立つ」と宣言した。動労千葉争議団の中村仁さんが、「強制出向に出されている仲間とともに必ずJRに戻る」と不屈の闘志を表明した。
 集会をまとめた動労千葉の田中康宏委員長は、「JRは建前としては『3年でプロパー社員を育成し外注会社が独自に業務を行えるようにする』と言ってきた。これは完全に破綻した。だから出向延長で労働者に矛盾を押し付けている。JRは出向延長を初めから考えていた。他方で、出向を解除されれば仕事がなくなるという汚い攻撃だ。外注化を絶対阻止する」と力説し、「動労千葉は出向から3年目の10・1に向かいストを構えて闘う」と宣言した。
 次回の裁判は12月9日。外注化粉砕の闘いはまさに決戦に突入した。(K)

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