崇仁・東三条住宅裁判 「絶対反対」を鮮明に 京都市の追い出しに反撃
大阪の西郡、高槻に続き、京都の崇仁(すうじん)と東三条でも更地化=住宅追い出し絶対反対の闘いが始まった。
●更地化・民営化と先端で闘う崇仁
京都市が崇仁のAさんを提訴した第2回裁判が10月13日、京都地裁第1民事部(齋木稔久裁判長)であり、全国水平同盟西郡支部、高槻支部、杉並支部を始め関西各地から多くの仲間が駆けつけた。Aさんの住宅追い出しとの闘いは、崇仁地区全体にかけられている家賃値上げ、市立浴場・保育所の民営化=更地化との最先端の闘いだ。
追い出しありきで条例などを変える行政の態度にAさんは怒っている。労働者にとって住宅を奪われることは生死にかかわる重大問題である。京都市は新自由主義そのものである金もうけのために黙って出ていけという。これに対するAさんの絶対反対の意思は鮮明だ。
企業や大学を誘致して崇仁の共同体を次々と破壊していく国家と京都市に対して、裁判闘争を結集軸に水平同盟崇仁支部準備会を結成し、反撃が始まった。この闘いは圧倒的に注目されている。支部準備会やともに闘う地元の合同労組(ユニオン自立)が団地に定期的なビラ入れを行い、追い出し反対の署名回りなどを通じて、京都市への怒りの声が集まっている。
また、更地化は市の現業廃止攻撃と一体であることも鮮明になった。崇仁の多くの労働者が現業職場で働いている。既成の部落解放運動や体制内労組が更地化攻撃の一端を担っていることも明らかだ。崇仁支部準備会の闘いは、住宅・仕事に困窮しているすべての労働者を獲得できる。(写真は裁判後の総括集会)
●東三条で弁論の再開をかちとる
さらに、10月15日には、東三条のBさんが住宅追い出しに反対して京都市を提訴した裁判で、弁論再開をかちとった。
7月2日、京都地裁第2民事部の牧賢二裁判長は結審を強行した。しかし、崇仁支部準備会を先頭に全国水平同盟と支援の労働者の団結の力で弁論再開をかちとり、この日、Bさんの意見陳述が行われた。
「私の手続きを京都市はあげつらい、条例で決まっているからと反論していますが、その条例さえも京都市が自分たちに都合良く解釈したものである」とBさんは核心をついた。Bさんの気迫のこもった意見陳述は、傍聴している仲間の心を打ち、傍聴者と弁護団が一体となって国、京都市、裁判所を圧倒した。(写真は裁判後の総括集会)
娘さんとたった二人で始めた裁判は、今や水平同盟を始め多くのともに闘う労働者と固く団結した裁判となっている。「一人ではない、多くの仲間とともに闘っている」――この思いがBさんを行動に駆り立て、国家と京都市に対する不屈・非妥協の闘いとして発展しているのだ。何よりも崇仁のAさんとの団結を強固にしている。
●団結してすべてを奪い返そう!
Bさんの闘いは、Aさん同様に住宅追い出し=更地化に怒りを燃やし、あきらめないで闘う重要性を示している。更地化に怒る部落の労働者は多いが、既成の運動団体が怒りにふたをして、あきらめを組織している。崇仁・東三条の闘いは、国鉄闘争のように、絶対反対で団結して闘うことで運動と組織を広げ、すべてを取り戻し勝利できる展望を生みだしている。
全国で起こっている非正規職化、民営化。住宅を奪い、仕事を奪い、戦争に動員していく国の根本を問い、国をひっくり返してすべてを奪い返す闘いが崇仁・東三条の闘いだ。「生きさせろ!」の闘いそのものだ。だから多くの労働者をひきつける。団結すれば勝てる、この一点にかけ闘おう! 11・1労働者集会1万人結集を実現し、その力で更地化=住宅追い出し攻撃を粉砕しよう! (京都・朝霧広巳)
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