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三里塚新やぐら裁判、裁判長の強権的訴訟指揮と対決

20170523a-1.JPG  5月22日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、市東孝雄さんの農地を守るための決定的な裁判闘争として、一致結束してともに闘いぬいた。
 この裁判は、市東さんの天神峰の畑の一角に立つやぐら・立て看板などの四つの物件について、成田空港会社(NAA)が反対同盟に対してこれらの撤去を求めて起こしたものである。NAAは、農地法裁判上告棄却によって市東さんに農地明け渡しを命じる判決が確定したことを理由に、この新やぐら裁判の終結を求めてきた。だが、やぐら・看板の所有者は市東さん個人ではなく反対同盟であり、当事者がまったく別という明白な事実の前に、裁判所からも一蹴されてしまった。

20170523a-2.JPG この日は陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして弁護団が意見陳述を行い、そもそも農地取得が違法・無効であることについて、NAAを厳しく追及した。
 NAAの前身である空港公団は、1988年に市東家の耕作地を地主から買収したと言うが、具体的転用計画もなく、小作権者の同意も得ずに行われた売買だった。地主には15年にわたって市東家から地代を代理徴収させていた。明白な農地法違反であり、耕作権は確固として市東さんにある。
 さらに公団本社は96年まで東京にあったことから、「不在地主」という点でもNAAの土地取得は違法だ。
 そして立て看板は、三里塚という50年を超す民衆の抵抗闘争の象徴であり、表現活動の一環である。それを奪おうとすることは、表現の自由を奪う憲法違反だ!
 また弁護団は、農地賃貸借契約解約が実質上の公用収用であること、成田空港の公共性の虚偽、離作補償額の算定基準などの重要な論点でNAAが求釈明を拒否していることについて強く弾劾した。裁判所は当然にもNAAに釈明を促す責任がある。ところが内田裁判長は、「原告は答えないと言っている。それを前提に被告は主張を全部出せ」などと反対同盟側に求めてきた。傍聴席からは一斉に「裁判長はNAAの手先か!」との怒りの声が次々とたたきつけられ、法廷は騒然となった。裁判長は狼狽し「静かに!」と絶叫を繰り返すが、猛抗議は収まるどころか激しさを増す一方だ。この中で、反対同盟の萩原富夫さん、太郎良陽一さんら3人が暴力的に退廷させられた。許せない! 弁護団はこの強権的な訴訟指揮を強く弾劾した。
 裁判長はなおも「次回で被告の主張を出し切ってほしい」などと求めてくるが、弁護団はこれをはねつけ、今後も腰をすえてNAAの違法を追及する姿勢を明らかにした。
 次回期日を7月24日として閉廷した。
 近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
弁護団は裁判所内で内田裁判長らとの「進行協議」を行った上で、会場に到着した。最初に萩原さんが退廷への怒りをかき立て、「内田裁判長は耕作権裁判も担当している。思い通りにはさせない。市東さんの農地を守り抜こう」と訴えた。
続いて各弁護士が発言に立ち、あからさまに国家権力の意を体し、裁判の進行を速めようとする裁判長の言動・行動を鋭く批判した。
 弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士は、「このやぐら・看板問題の決着がつかないと、天神峰農地の強制執行ができないという関係を作り出している」と述べ、拙速裁判を阻止して闘うことを明らかにした。
 動労千葉が連帯発言で、館山の地において内房線切り捨て・地域破壊の攻撃に対する住民の闘いが進んでいることを報告した。
 最後に伊藤さんが、前日の「天神峰カフェ」などの報告と、5月25日請求異議裁判とデモ、署名提出行動への結集を訴えた。
 強制執行反対の署名は現在5千を超えて、さらに全国から集まっている。この日も集会終了後、反対同盟と支援連は強い日差しのもと、千葉市繁華街に繰り出し、声を嗄らして署名を訴えた。(TN)

請求異議裁判・デモ
5月25(木)午前9時、千葉市中央公園集合。集会と千葉市内デモ。
10時ごろ、千葉地裁への署名提出行動。
10時30分開廷(千葉地裁601号法廷)

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