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6・20世界難民デー行動 被収容者を殺すな! 東京入管前で抗議の街宣

20170629b-1.jpg グエンさんは、インドシナ難民として28年前に来日。5年ほど前に服役によりビザを喪失し仮放免状態になった。約4カ月前に仮放免の更新が不許可になり名古屋入管に収容された。東京入管を経て3月15日に牛久に移管された。
 3月17日夜、グエンさんは口から泡を吹き、血を吐いて失禁。職員が居室外に連れ出した。戻って来なかったので同室の人たちは外部の病院に連れて行ってもらえたと思っていたが、実際は入管内の医務室(医療関係者は不在)に1日置かれ、翌18日に7Bブロックの単独房に移された。
治療の訴えを無視
 連休明けの21日も激しい痛みに苦しむグエンさんを見かねた7Bブロックの被収容者たちが皆で職員を呼び「早く医者に診せてくれ」と要求。やっとグエンさんは入管内の医者の診察を受けたが、胸部レントゲンと痛み止め、湿布剤のみだった。痛みを訴えるグエンさんに職員は「黙れ! 静かにしろ」「仮放免になりたくてうそをついている」と怒鳴った。

 24日も朝から「痛い! 痛い!」と叫んでいたが、職員は見にも来なかった。やがてグエンさんの声は聞こえなくなり、午後10時ごろ、倒れているのを職員が発見。25日午前1時に救急車が到着、救急隊員が死亡を確認。「死後硬直が始まっている」とのコメントも伝えられた。北村晃彦所長は「現時点で処遇に問題はなかったと考えている」とコメントし、法務省は4月3日、死因は「くも膜下出血」だと発表した。
 牛久の会は3月29日、「牛久入管当局の被収容者に対する処遇に問題がある」と指摘し、①全職員に対し、人権教育を徹底すること、②早急に常勤の医師を確保すること、③看護師などの医療関係者を24時間・365日体制で常勤させること、④外部病院への通院を柔軟に認める。その際、腰縄・手錠などはしないこと、⑤処遇の改善、特に午後4時半以降の居室外自由時間を延長すること――の5点を申し入れた。
 牛久入管では2010年2月に日系ブラジル人が、4月には韓国人が自殺、14年3月にはカメルーン人とイラン人が病死した。東京入管でも被収容者の病死が相次いでいる。
 アメリカのトランプ政権は移民・難民排斥で非難の的となった。しかし、日本の入管体制はトランプ以上に徹底した外国人差別・排斥を貫いている。
 昨年、日本で難民申請者が初めて1万人を超え1万901人となった。しかし難民と認められたのはわずか28人。いま東京入管には連日、早朝から難民申請の長蛇の列ができている。ところが難民申請の受付事務を担うのはたった1人。1人で1日に処理できるのは30〜40人。この事務処理能力に規定された数が昨年の1万901人なのだ。
入管体制うち破れ
 さらに米日帝国主義による朝鮮侵略戦争の超切迫情勢のもと、共謀罪攻撃と一体の攻撃として難民申請中の外国人、仮放免中の外国人への収容・再収容が激化している。
 ある日突然、仮放免が取り消され、入管に収容される。家族とも引き裂かれ、いつ出られるかもわからない極度の緊張と不安を強いられ、心身ともにむしばまれる。ストレスがストレスを呼ぶ環境で、治療を求めても「うそをついている」と決め付けられる。グエンさんは例外ではない。東京入管では盲腸の痛みを訴えた被収容者が単独房で放置され、命の危険にさらされる事例が連続している。
 「世界難民の日」の6月20日、東京入管前で牛久の会を先頭に抗議行動が闘われた。東京入管に「難民・仮放免者を収容・再収容するな」と抗議し、7階から上に収容されている外国人たちに「ともに団結して生きぬこう」と呼びかけた(写真)。
 午後には、SYI(収容者友人有志一同)が呼びかけた法務省行動、牛久の会のJR牛久駅前街頭宣伝も取り組まれた。どんな弾圧も粘り強く闘い続ければ、必ず打ち破ることができる。入管法・入管体制を労働者の団結で打ち破ろう。

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