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公共運輸労組ソギョン支部の闘い 韓国 6万人が闘った6・30ゼネスト 今すぐ非正規職なくせ

20170724a-1.JPG韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟、80万組合員)の6・30社会的ゼネストは、「最低賃金1万ウォン獲得! 非正規職撤廃! 労働組合の権利獲得!」を掲げた初の非正規職ゼネストとして打ち抜かれた。この非正規職ゼネストを牽引(けんいん)したのが公共運輸労組所属の非正規職労働者たちだ。民主労総ソウル本部事務処長を歴任し、11月労働者集会にも来日、動労千葉と交流のあるパクミョンソク支部長が率いるソウル京仁(キョンイン)公共サービス支部(ソギョン支部)の闘いを紹介する。

先送りはできない
20170724a-2.jpg 「清掃労働者が先頭に立ち、労働積弊(積もり積もった労働者への害悪)を掃き捨てよう!」――ソギョン支部は6月23日、87%を超える圧倒的賛成でスト権を確立し、6・30ゼネスト突入を宣言した。
 パクミョンソク支部長は 「最低賃金1万ウォン(約千円)は不平等を解消する最初のボタンだ。政府は『待ってくれ』と言うが、最低賃金1万ウォンと労働組合の権利は先送りできない問題だ」と強調した。現在、ソギョン支部組合員の時給は6950ウォンだ。支部は「人間らしい生活を送る最低限の条件だ」と「時給1万ウォン、月額209万ウォン」を要求している。
 延世大分会のイギウォン分会長は「新政府になったが、私たちの労働現実は変わっていない。最低賃金1万ウォンが国の経済を破綻させるのか大統領に聞きたい」と怒りを込めた。
 高麗大総学生会のキムボヒョク会長は、「高麗大の勤労奨学生も時給7000ウォンだが、清掃労働者の時給がさらに少ないのはおかしい。私たちも対策委を通じて連帯する」と語った。
 ソギョン支部はソウルにある17大学で組織化を進めている。いま激しい攻防中なのは延世大付属のセブランス病院と高麗大付属の安岩(アナム)病院だ。
 延世大は私立だが、国家教育部が人事に介入し、チェスンシルゲートとのつながりもあった。御用労組を食い破ってソギョン支部が組織化を進めた結果、現在組合員が46人いる。組合員への脅迫・監視、強制配転など労組つぶしに躍起となった病院側に対抗し、労組は毎日宣伝戦を行った。そこで病院側は、労組・個人を業務妨害、暴力行為などで告訴・告発し、労組がセブランス病院の100㍍以内に近づいたら500万ウォンの罰金だという仮処分裁判を起こした。これは争って労組が勝ったが、病院側は懲りずに50㍍以内禁止の第2次仮処分を起こした。今これと闘っている。
勝利まで闘いぬく
 ソギョン支部は今年7月、労組結成10年を迎えた。2010年12月、弘益(ホンイク)大学で奴隷的な扱いを受けていた清掃労働者たちが労働組合を結成。労組は翌年1月3日から49日間にわたる籠城(ろうじょう)闘争で原職復帰と団体協約締結などをかちとった。今のソギョン支部の闘いにつながるこの弘益大分会の闘いの記録『私たちが見えますか』(ハンネ発行)の日本語版が、動労千葉・労働者学習センターから発行されている。非正規職労働者の組織化の豊かな教訓がつづられている。必読文献だ。
 パクミョンソク支部長は今後10年を展望し、「これからもソギョン支部は完全な正規職化を実現するために闘う」と断言し、ムンジェイン政権を批判した。
 「ムン大統領は『非正規職のない社会』として、子会社をつくって直接雇用するとか、無期契約職に転換するとか言っているが、完全な正規職化は受け入れないでしょう。最低賃金1万ウォン実現や間接雇用撤廃は、労働者を尊重しろという要求であり、人権の問題だ。これを先延ばしできるのか? ノーだ。今すぐにやれと要求して6・30ゼネストを闘った」
 7月19日、スト突入・本館座り込み闘争8日目のソギョン支部梨花女子大分会が、830ウォン引き上げの時給7780ウォンをかちとった。これは、7月16日に新たに決定された最低賃金額7530ウォンを上回る額だ。非正規職完全撤廃へ、ソギョン支部の闘いは続いている。
〔写真〕上:6・30社会的ゼネストに決起し「労働尊重/平等学校」のスローガンを掲げてデモする公共運輸労組
      全国教育公務職本部(6月30日 ソウル)
    下:記者会見で6・30ストライキ突入を宣言した公共運輸労組ソギョン支部。前列右から3人目がパクミョン
      ソク支部長(6月23日 ソウル)

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