韓国・民主労総が声明 核対決は人類的な大災厄 軍事的行為すべて中止を
朝鮮半島情勢は、韓米の乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン訓練開始と、これに続く3日の北朝鮮の6回目の核実験によって、再び激浪に覆われている。北朝鮮の核実験に対する憂慮はあるが、過去6回にわたる核実験を振り返ってみると、朝鮮半島における核問題の根源は、米国による核攻撃の威嚇を含めた敵対的な対北朝鮮政策である。
このことは「北朝鮮の核開発は、米国の対北朝鮮軍事行動への恐怖のため」だとした2007年の米国の大西洋委員会報告でも明らかになっている。米国は朝鮮戦争以来今まで、北朝鮮への核攻撃の威嚇をやめていない。最近では、戦略爆撃機B1BとF35Bステルス爆撃機の実戦的爆撃訓練などで対北朝鮮攻撃の威嚇を強めてきた。このような米国の北朝鮮に対する威嚇と圧迫は北朝鮮のより強力な反発を呼び、危機の悪循環がさらに深刻化している。
ムンジェイン政権は、「対北朝鮮制裁一辺倒だったイミョンバク―パククネ政権のもとで北朝鮮の核・ミサイル能力はむしろ強化された」という米ジョンズ・ホプキンス大学韓米研究所の報告書に留意しなければならない。
韓米当局は、これ以上遅らせることなく、北朝鮮と米国の関係、そして南北関係改善のための対話と交渉にのりださなければならない。また、北朝鮮の6回目の核実験に対して、けっしてサード(THAAD=高高度迎撃ミサイルシステム)配備を強行すべきではない。サードの韓国配備は、韓国が日米のミサイル防衛体制に含まれていることにより、東北アジアの軍事的緊張の対決を構造化し、朝鮮半島における平和問題の解決をいっそう困難にするだけだからだ。
われわれは戦争ではなく平和を望む。われわれは平和のために、すべての核に反対する。米国が対北朝鮮の敵対政策を放棄してこそ、朝鮮半島非核化の議論と実現も成し遂げられる。平和協定の締結によって、朝鮮半島に垂れ込める戦争の暗雲と分断のくびきをすっかり取り払わなければならない。朝鮮半島に、敵対的な対決も、核兵器も、軍事境界線もない強固な平和体制を築き、統一された朝鮮半島を樹立するために、すべての関連当事国が積極的に協力することを、もう一度強く求める。
北朝鮮と米国間での対決と戦争の危機が高まり、そして東北アジアの平和を根本から揺るがすことになるサード配備の強行があらわになる中で、朝鮮半島情勢をさらに激化させるすべての軍事的行為と制裁措置を中断しなければならない。いかなる理由があろうと、朝鮮半島での核対決は、南北(朝鮮)のすべての民衆にとっての災厄であるばかりでなく、世界中のあらゆる国に広がりうる人類的な大災厄であり、絶対に許すことはできない。今は核をめぐる軍事的対決ではなく、平和協定締結のための全面的な対話にのりだすときだ。
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