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ヨーロッパ中の鉄道労働者がパリで2万人の民営化反対デモ

 11月13日、フランスのパリで、約2万人の鉄道労働者がEU(欧州連合)の進める鉄道民営化政策に怒りをたたきつけるデモを行った。ヨーロッパ中から15カ国をこえる国々の鉄道労働者が結集し、鉄道民営化(貨物、旅客とも)による労働条件の悪化、生活条件の低下に抗議をした。横断幕には「鉄道民営化にノー」というスローガンがフランス語、英語、ドイツ語で掲げられた。
 写真は「EUの鉄道民営化反対。リスボン条約反対、労働者の権利を守れ」の横断幕を先頭にデモする労働者


 イギリスのRMT(鉄道・海運・運輸労組)の労働者は「マーガレット・サッチャーによって開始されたイギリスの鉄道民営化は公共サービスにおける質や安全面において悲惨なものにした。ここにやってきた200人のイギリス鉄道労働者はフランスやドイツの労働者に対して、1996年にイギリスが犯した誤りを繰り返すな、という思いを抱いている」と語った。フランスCGT(労働総同盟)鉄道部門の労働者も「鉄道民営化は安全輸送義務を無にしかねないと全鉄道労働者が危惧している」と話す。インドやモンゴル、タイ、アメリカの鉄道労組からの連帯メッセージが届いた。
 EUにおける鉄道の民営化は、2003年に国際貨物輸送において開始され、2006年に国内貨物輸送に及び、2010年までに国際旅客輸送にまで広げられようとしている。金融大恐慌情勢のなかで、欧州諸国のみならず世界の鉄道労働者の民営化への怒りをたたきつけた今回のデモは、EU当局や各国帝国主義の鉄道民営化攻撃に大きな打撃となっている。
 フランスでは、11月5―7日のストライキに続いて18日からの鉄道労働者のストライキがCGT、SUD(団結・統一・民主)によって呼びかけられている。エール・フランスのパイロット組合(SNPL)は現行60歳からの年給支給年齢を65歳からにするという提案に反対して14―17日、ストライキを貫徹し、パリ発の長距離便の65―70%を止めている。教育労働者の各組合も、09年度の大幅定員削減と労働条件悪化に反対・抗議して20日に全国各地でストライキとデモをやる予定だ。大学生、高校生も合流する。フランス―EU全域で、労働者の怒りの決起がますます広がっている。

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