10・8三里塚、北原事務局長の遺志継ぎ、農地死守・反戦を誓う
10月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する全国総決起集会が開かれ、闘う労働者・農民・学生・市民710人が全国から結集し、「農地死守・第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒」を固く誓い合った。
秋の晴天のもと、会場は成田空港敷地を食い破って存在する東峰の萩原さん宅の畑だ。誘導路に両側から挟まれてジェット機の絶え間ない騒音に満たされ、機動隊の宿舎が隣接する場所だ。
演壇には去る8月9日に95歳で逝去した北原鉱治事務局長の写真が花とともに飾られている。ヘルメットをかぶり集会に臨む往年の姿だ。
正午に司会の婦人行動隊・木内敦子さんが開会を宣言し、この集会を北原さん追悼集会として開くことを告げ、参加者全員で黙祷を捧げた。
最初に主催者あいさつとして、大きな拍手の中を天神峰の市東孝雄さんが登壇した。「北原さんは信念を曲げず正義を貫き50年の長きにわたり闘争を続けた」と称え、「国策と闘う人びと、動労千葉を先頭とする労働組合、市民運動、学生と団結しともにこれからも闘う」と決意を表し、参加者にこの日一日の奮起を促した。
次に動労千葉の田中康宏委員長が連帯のあいさつに立った。「北原さんは労農連帯の最高の理解者」と称え、1978年の動労津山大会会場に戸村一作委員長、北原事務局長を先頭に反対同盟がのりこみ、「三里塚との絶縁」を迫る動労本部カクマルを徹底的に弾劾したことを感慨深く紹介した。さらに「3・8分裂」で仁王立ちして脱落派と対決し大義を守り抜いたこと、軍隊経験者として戦争絶対反対の立場を貫いたことを、故人の偉業として強調した。そして遺志を継いで三里塚闘争に勝利することを誓い、11・5全国労働者総決起集会―改憲阻止1万人大行進への結集を訴えた。
関西実行委に続き、反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が連帯のあいさつに立った。戦争国家づくりを進める安倍を断罪し、斎藤いくま候補を押し立てた衆院選決戦と11・5への決起を訴えた。そして請求異議裁判、耕作権裁判などの攻防局面を伝え、現地実力闘争と一体で裁判闘争に勝利することを誓った。
遺族からのあいさつとして、長男・北原健一さんが登壇した。会葬へのお礼を述べた上で、「おやじは空港によって奪われた大地を、平等な社会を、生きる権利を、自分たちに取り戻そうとの思いで闘っていた。私も反対同盟の一員としてがんばります」と万感の思いを込めて決意を表し、参加者はひときわ大きな拍手で応えた。
基調報告を東峰の萩原富夫さんが行った。北原さんの遺訓を胸に反戦を貫くことを誓い、第一に市東さんの農地を守る請求異議裁判闘争の勝利を訴えた。第二に空港機能強化(第3滑走路建設、B滑走路の1000メートル北延伸、夜間飛行時間の大幅延長)攻撃に対し、芝山町、横芝光町などの地元住民と結束して白紙撤回へと闘うことを確認した。第三に戦争と改憲に突き進む安倍政権の打倒を訴え、「国策と闘う三里塚・沖縄・福島を軸に、労働現場や生活のあらゆる現場での闘いをつなぎ、安部打倒へともに闘おう」と締めくくった。
婦人行動隊・宮本麻子さんのカンパアピールに続き、「浪花のパギやん」こと趙博さんがギター弾き語りでミニライブを行い、インターナショナルなどを合唱した。
司会を太郎良陽一さんに交代し、顧問弁護団全員が登壇して勝利への決意を述べた。続いて「市東さんの農地取り上げに反対する会」と各地の「農地を守る会」が壇上に並んだ。群馬・の会は、前橋で開いた9・17三里塚集会の成功を誇らしく報告した。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋さんは、和歌山県警による組合への不当捜索・弾圧を弾劾し、三里塚完全勝利と11・5労働者集会への結集をよびかけた。
緑色ののぼりを林立させて登壇した全国農民会議の小川浩共同代表は、自民党安倍農政の推進で農家がつぶされている現実を弾劾し、全国農民の最先頭で闘う市東さんと反対同盟への連帯の強化を強く訴えた。
3・11反原発福島行動実行委の椎名千恵子さんは、北原さんの思い出を紹介し、「衆院選決戦の勝利を北原さんに報告しよう」と呼びかけた。
市東さんの農地を守る沖縄の会に続き、「若狭の原発を考える会」の木原壯林さんが初登壇して三里塚への連帯を表し、安倍政権の原発推進政策への強い怒りと再稼働阻止の決意を明らかにした。
さらに全国水平同盟の久原正子委員長、婦人民主クラブ全国協議会、星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、動労水戸の木村郁夫書記長などの連帯発言が続いた。木村さんは、住民に被曝と帰還を強制する常磐線の10・21富岡延伸を阻止する闘いを呼びかけた。
満を持して全学連の斎藤いくま委員長が、大歓声の中登壇した。「ロシア革命から100年、僕ら自身の力で新しい社会をつくろうとの思いが形になったときに革命は起きる」と延べ、「朝鮮戦争に反対し、労働者の生きる力を取り戻すために闘う政党をこの選挙で登場させる」と若々しく圧倒的な衆院選勝利の決意を述べた。
最後に伊藤信晴さんが集会をまとめ、団結ガンバローを三唱し、デモ行進に出発した。
反対同盟がデモの先頭に立ち、開拓組合道路から旧小見川県道に出て市東さん宅前を進んだ。宣伝カーからは宮本さんの力強いシュプレヒコールが一帯に響き渡った。第3誘導路のトンネルをくぐると、かつてデモコースであった東横イン前に出る道路が空港拡張のために封鎖されている。デモ隊は怒りをコールに込めて行進し、弾圧の機をうかがう公安刑事と大量に配備された機動隊を圧倒した。南台の市東さんの畑に到着し、市東さんが日々丹精込めて作る畑の土に触れ、そこから再び東峰開拓組合道路までの往復デモを貫徹した。(TN)
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