広島暴処法裁判・第6回公判 8・6は反核行動の日だ 宮原事務局長が堂々証言
5月20日、広島地裁(角谷比呂美裁判長)で8・6暴処法裁判の第6回公判が開かれました。
これまでの検察側立証では「被害者A」は法廷に出て来ず、警察官は右翼から入手した写真を使って面割をしており、警察・検察と広島市、右翼が一体となって事件をでっち上げていったことが明らかでした。これに対し、この日から弁護側の立証が始まり、8・6闘争の正義性を全面的に明らかにすることを通して反戦反核闘争を発展させていく闘いが法廷でも始まりました。
公判に先立ち、地裁前で裁判所抗議行動を行いました。この日、証言に立つ8・6ヒロシマ大行動実行委員会の宮原亮事務局長が「われわれが勝つのか、弾圧者が反戦反核闘争つぶしを貫徹して中国侵略戦争に突き進むのか、そういう激突の場として今日の証言をやり抜きたい」と意気込みを語りました。また、学生から沖縄現地闘争の高揚の報告を受けました。
右陪席交代による更新手続が行われ、弁護団と、被告団として私が改めて意見陳述しました。森川文人弁護士は「この弾圧は反戦闘争をつぶすためだ」と喝破。「事件があったから逮捕したのではなく、逮捕するために『犯罪行為』を仕立て上げたのだ」と警察・検察を断罪し、また長期勾留で弾圧を支えた裁判所も弾劾しました。そして「帝国主義戦争を止めようと行動することは犯罪ではない!」と公訴棄却を訴えました。
私は、広島市の原爆慰霊碑をめぐる西田昌司暴言と6月19~20日の天皇来広計画を弾劾し、反戦反核闘争そのものとして裁判闘争を闘う決意を表明しました。
これまで裁判長は被告人が私物の筆記具を持ち込むことを禁止していましたが、ついにこれを打ち破りました。しかし、依然としてビデオ上映などの証拠調べを傍聴席に見せずに行っており、所持品検査、機動隊の敷地内待機も継続しています。こうした訴訟指揮に強く抗議しました。
今回、検事は全員交代し、大坂正明さん裁判を担当していた極悪の治安検事・森中尚志が新たに着任しました。ここにも国家権力が広島暴処法弾圧に全力を挙げていることが見えます。絶対に負けられません。
そして宮原さんの証人尋問が行われました。宮原さんは、1971年に沖縄の永久基地化を進める佐藤栄作首相(当時)の記念式典出席に対し、実力糾弾闘争が闘われたことなどを証言し、「8月6日は政府の戦争政策・核政策に反対して闘う反戦反核の行動の日だ」と語りました。その闘いの歴史を継承して8・6ヒロシマ大行動を開催していること、特に2023年8・6はG7広島サミットを弾劾して中国侵略戦争・核戦争を阻止するために原爆ドーム前集会を行ったと証言しました。こうした反戦運動に対して右翼の襲撃と広島市の反動的対応が始まった経緯を証言し、この裁判が国家権力・広島市・右翼一体の反戦反核闘争つぶしとの闘いであることを鮮明にしました。
検事の森中は反対尋問で「メモに『権力・右翼の妨害を粉砕する』とある。スクラムデモをすることを事前に議論していたのでは」として宮原さんを「暴行の指示役」と描き出そうとしました。これに対し、宮原さんは「警察・検察・右翼が一体で不当な弾圧を日常的に行ってきている。弾圧と闘うことは8・6前に限らず常に議論している」と一蹴。宮原さんの毅然とした証言と、被告席・傍聴席からの徹底弾劾の声により、森中は次第に意気消沈していきました。
公判後、記者会見を行いました。宮原さんは、「トランプと石破が中国侵略戦争に進もうとしている今こそ行動を起こす時だ。8・6は核と戦争を許さない行動をする日としてずっとあった。そのことを証言できた」と語りました。被告団・弁護団も反戦反核闘争拡大と無罪判決を勝ち取っていく決意を述べました。
暴処法裁判は戦争阻止の重要な闘いに押し上がっています。次回公判も大結集をお願いします。(広島暴処法裁判被告・古郡陸)
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