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三里塚耕作権裁判―重大証拠提出、NAAの証拠偽造は明らか

20190219a-1.jpg 2月18日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・農民・学生・市民90人は「天神峰・市東孝雄さんの農地を自らの力で守りぬく」との決意を打ち固め、一致団結して闘いぬいた。
 開廷に先立つ午前9時、千葉市中央公園で太郎良陽一さんの司会で決起集会が始まった。
 最初に反対同盟事務局を代表して、東峰の萩原富夫さんが発言した。400万円カンパ運動への協力を呼びかけながら、「私たちは生活の中から闘いのお金を捻出しているが、他方で国やNAA(空港会社)は勝手に税金をつぎこみ、労働者・農民の生活を破壊している。私たちは人生をかけて、農地と生活・命を守り、労働者人民への食糧を供給していく」と、闘いの意気込みを明らかにした。
20190219a-2.jpg 続いて動労千葉の川崎昌浩書記長が発言し、国鉄闘争の真価をかけて安倍の戦争・改憲と労組絶滅の攻撃を打ち砕き、三里塚と連帯して3・31全国集会に立ち上がる決意を述べた。
 関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言を受けて、意気高くシュプレヒコールを上げてデモに出発した。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんが「農地死守」の訴えを千葉市繁華街に響かせ、デモは地裁に力強く迫った。

20190219a-4.jpg 傍聴席を満杯にして午前10時30分開廷。
 顧問弁護団は、重大な証拠を提出した。三里塚闘争最初期の1967年に提訴された「工事実施計画認可処分取り消し請求裁判」の中で、空港公団(NAAの前身)が証拠提出した地図、「新東京国際空港平面図」だ。
 この図面は公団が同年10月の航空写真と12月の現地調査に基づいて作成したとされ、南台41―9の土地について、市東家の賃借地・耕作地ではなく、石橋家の屋敷林になっていたことが明確に記されている。公団側の証拠の中からこの地図が「発見」されたことは決定的だ。
 NAAは市東孝雄さんを天神峰から追い出すために訴えた耕作権裁判で、「41―9」を市東家の耕作地だと決めつけて、その誤った認識を押し通すために「同意書」「境界確認書」という文書を偽造し、証拠として提出した。そのうそが一層鮮明に暴かれた。
 12月20日に請求異議裁判一審で強制執行を認める不当判決が出されたが、南台の市東家の耕作地の位置特定をめぐってこの耕作権裁判が継続していることは、強制執行を阻む重大な力となっている。
 さらに弁護団は、証拠乙84~85号証の墨塗りなどNAAによる文書隠しの悪あがきを追及し、関連する文書の全面開示を求めて裁判長に強く迫った。また、農業、憲法、経済学などの専門家の証言に向けた今後の日程を示した。
 NAAの代理人弁護士は相変わらず沈黙を決め込み、文書開示にも応じない姿勢を変えず、傍聴席からの怒りを買った。
20190219a-3.jpg 次回期日を5月13日、次々回を7月29日と確認し、閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 最初に葉山岳夫弁護士がこの日提出した証拠の地図を詳細に解説し、農地を守る闘いの一層の強化を呼びかけた。さらに弁護団がそれぞれ発言し、請求異議裁判控訴審への奮起を促した。
 大きな拍手の中、市東孝雄さんが決意を述べた。「農地法裁判では不当判決が確定したが、この耕作権裁判が13年も闘われている以上、NAAは強制執行したくても見通しはありません。この裁判は勝てると思います。ぜひこれからも傍聴、デモ、集会に駆けつけてください」
 連帯発言で全国農民会議の小川浩共同代表は、全国の農民が集って三里塚現地調査を行い、成田市で総会を開いたことを報告した。安倍政権が日本農業をつぶしにかかっている中で、農民は闘わなければ生きられない、食の安全も守れない現状を確認し、市東さんの農地決戦を全力で担う決意を表した。
 最後に伊藤さんが、400万円カンパの反対同盟への集中と、3・31全国総決起集会(成田市赤坂公園)への大結集を熱く激しく訴え、締めくくった。(TN)

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