ダイ改阻止へスト配置 動労千葉 反戦春闘へ決戦態勢築く
動労千葉は3月2日、第89回定期委員会をDC会館で開き、JRダイヤ改定阻止―24春闘勝利へストライキを闘う決戦態勢を確立した。動労千葉は今月30日、結成45周年を迎える。新自由主義は社会を崩壊させ、それが戦争を引き寄せている。資本と政府が「賃上げ」を連呼する一方、連合は労働組合の闘いを自ら解体しつつある。歴史が分岐点にある中で、動労千葉は組織の命運をかけて春闘に立つ。それはストライキ復権の最先端の闘いだ。
あいさつに立った関道利委員長は、ダイヤ改定にストライキで反撃し、戦時下の24春闘を反戦春闘として闘い、動労千葉が階級的労働運動再生の先頭に立つことを訴えた(要旨別掲)。
来賓あいさつを動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が行い、動労千葉の闘いを自らの闘いとして共に担う決意を表した。久留里線と地域を守る会は、JRと自治体によって構成される「協議会」が廃線の結論を住民に押し付けようと動く中で、地元からそれに反対する強い怒りの声が上がっていると報告した。
渡辺剛史書記長が運動方針を提案し、①民営化の矛盾をあらわにしたJRの大合理化に立ち向かう、②昨年の大会で確認した「70歳まで原則組合員」の方針のもと、全組合員の力を集め組織拡大の闘いに立つ、③11月労働者集会を軸に労働運動を再生させる、④労働組合の最も本質的な闘いとして反戦闘争の先頭に立つ――の四つの柱を打ち出した。特に、今回のダイ改は尼崎事故や羽田空港での航空機衝突事故のような大事故をもたらす攻撃だと弾劾し、これとの闘いを組織拡大春闘と位置づけて貫徹することを訴えた。
1047名解雇撤回闘争をめぐっては、昨年4月以降、審理が中断していた東京地裁での裁判が近く再開される見通しだ。JR西日本元会長の井手正敬とJR東日本現社長の深澤祐二の証人尋問を拒む裁判官に対して突きつけられた忌避申し立てを、最高裁が不当にも棄却したからだ。
動労千葉がJRとその子会社の千葉鉄道サービス(CTS)に対して65歳以降の雇用延長を求めた裁判でも、千葉地裁は2月21日、組合の訴えを退ける反動判決を出した。他方でCTSは、直雇いの正社員と契約・パート社員の定年を65歳に延長し、希望者はさらに70歳まで雇用するという就業規則の改定案を出してきた。だが、JR社員で60歳定年後に再雇用され、65歳までCTSに出向しているエルダー社員は雇用延長の対象にしない。人員不足で業務が回らない現実に雇用延長で対処せざるを得ないが、動労千葉組合員はあくまで排除し続けるという攻撃だ。「70歳まで原則組合員」と確認した動労千葉にとって、雇用延長を実現する闘いは重要なテーマだ。最低賃金レベルを打破してCTSで大幅賃上げを獲得する闘いも、切実な決戦課題になっている。
討論では人員不足や運転士の行路延長による労働強化への怒りが示された。車両故障の際には真っ先に駆け付け修繕する役割を担ってきた上総一ノ宮の検査派出の廃止に対しても強い怒りが表明された。組織拡大への熱い決意も語られた。
総括答弁で関委員長は、鉄道を崩壊させるJRの攻撃をあらためて弾劾し、スト貫徹の力で組織拡大に打って出ようと呼びかけた。
ダイ改当日の3月16日午後2時から、動労千葉は千葉市民会館で総決起集会を開く。ここに集まり、動労千葉の闘いを支えよう。
関道利委員長の発言(要旨) 労働者の団結した力示そう
動労千葉は今月30日、結成45周年を迎えます。私たちは国鉄分割・民営化に対し首をかけてストライキに立ち、1047名闘争を闘い、外注化と対決して、日本労働運動の中で画期的な地平を切り開いてきました。そごう・西武労組や11月集会に参加した各労組のストが示すように、長い低迷期にあった労働運動は変わろうとしています。
3月ダイ改では運輸区全廃と統括センター化、乗務員の53人削減や上総一ノ宮検査派出の廃止が狙われています。全力のストライキで反撃しましょう。真剣に闘いに立つ姿を見せることが、職場の仲間を獲得する何よりの力です。
JRの攻撃の背後にあるのは若年退職者の急増です。人員不足で列車が運行できなくなろうとしています。業務融合化やIT企業化、職名廃止などの攻撃に何の整合性もありません。けれど危機に突き動かされてそうせざるを得ない。その先にあるのは尼崎事故のような事態です。反合・運転保安確立の闘いをあらためて強化したいと思います。
JRは久留里線を先端に全面的な廃線化に乗り出しています。他方で防衛省は「台湾有事」の際の鉄道による軍事輸送を強調しています。廃線化と戦争国家化は一体です。
戦時下にあり労働運動の歴史的な転換点にある今春闘を、生活破壊と戦争への怒りを爆発させる反戦春闘として闘いたい。岸田政権は全分野を戦争の観点からつくり変える国家改造を激しく進めています。これを真正面から見据えて闘うことが必要です。
今年の経労委報告は異常なまでに賃上げを連呼しています。しかし、30年も賃金を下げ続け、2100万人を非正規職労働者にして最賃レベルに突き落としたのは誰なんですか。連合会長の芳野は「春闘で政府の力を借りたい」と言っていますが、賃金が上がるなら武器輸出にも賛成するんですか。戦時経済への転換が急速に進む中で、労働者の団結した力をたたきつける闘いが必要です。
この時代に階級的労働運動を再生する11月集会のさらなる飛躍へ挑戦しましょう。昨年は大きく成功したからこそ、今年はそこにとどまるわけにはいきません。全組合員の総決起をお願いします。
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