星野さん大坂さんを今すぐ返せ11・26全国集会、青年がデモをリード
11月26日、東京・千代田区の星陵会館で「星野さん大坂さんを今すぐ返せ11・26全国集会」が開かれた。主催は、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議で、全国から520人の労働者・学生・市民が結集し、星野文昭さん、大坂正明さんの奪還を固く誓い合った。
司会のあいさつ、再審連絡会議共同代表の狩野満男さんの開会あいさつに続き、徳島刑務所で獄中闘争43年目に入った星野文昭さんのメッセージが読み上げられた。
「直ちに解放せよ!という闘いとして更生保護委員会闘争を闘い、同時に、これ以上全証拠開示・再審開始・無罪・完全解放を引き延ばすな!と高裁に迫り、大坂闘争とともに勝利しよう」「戦争を始めようとする政府を全世界の労働者人民の団結した闘いによって打倒して、搾取・貧困・戦争をなくし、誰もが人間らしく働き生き満たし合う社会を必ず実現しよう」との星野さんの心底からの訴えが、全参加者の胸を打った。
続いて大坂正明さんのメッセージが読み上げられた。「私が指名手配と闘った46年間も多くの方に支援していただきました。当面する私の大きな課題は裁判闘争に勝利することです」「勝利をかちとり、星野さんとともに出獄したいと決意しています」と、みなぎる決意が表され、二人への惜しみない拍手が会場を満たした。
共同代表の戸村裕実さんと香川取り戻す会が、更生保護委申し入れの報告を行った。戸村さんは高松市の四国地方更生保護委員会に対し10月17日まで3回の申し入れを重ねてきたことを報告し、「再審闘争と更生保護委員会闘争に貫かれているのは、星野さんは無実ということ」と核心を語った。
続いて弁護団が壇上に並び発言した。酒井健雄弁護士、藤田城治弁護士は更生保護委員会への申し入れの確かな手応えを伝え、11月30日に再び申し入れ行動を行うことを明らかにした。
主任弁護人の岩井信弁護士は、殴打現場から離れた十字路に立っていた時に星野さんが見た「車の反射光」のDVDを、新証拠として昨年12月に提出したことをあらためて報告した。弁護団長の鈴木達夫弁護士は、監獄と結びつく官僚である更生保護委の「壁」を破って星野解放を実現するのは各地絵画展の開催、多数の要望書提出などの運動の力であることを力説。星野再審闘争が築いた勝利的地平で大坂さんへの弾圧を粉砕する決意を述べた。
大坂弁護団として山本志都弁護士は、大坂さんを罪に問う「証拠」が共犯とされた5人の供述調書だけであることを弾劾した。主任弁護人の西村正治弁護士は、供述調書などすべての証拠を開示させ、裁判員裁判制度の適用を阻止し、大坂さんへのでっち上げ弾圧を粉砕する決意を表した。
カンパアピールで前半が終了。休憩をはさみ、後半は高野咲子さんの筝曲で始まった。琴で演奏される「ソリダリティ」「あの坂を登って」などの典雅な調べが、会場の雰囲気を一変させた。
基調報告を事務局の金山克巳さんが行った。2017年の闘いを振り返り、①四国地方更生保護委員会との闘いを開始、②星野再審闘争と大坂さんの裁判闘争との合流、③徳島刑務所の受刑者処遇の改善、④治安弾圧との闘いでの勝利を確認した。星野さんの服役期間が今年7月で30年となり、更生保護委員会は仮釈放審理を開始せざるをえない。この状況下、要望書集中、申し入れ行動、絵画展開催などで更生保護委員会を追いつめ、無期刑の終身刑化攻撃を打ち砕くことを訴えた。そして、ペテン的沖縄返還政策と闘った71年11・14渋谷闘争の正義を掲げ、階級的労働運動の前進と一体で、星野再審闘争の推進・発展を呼びかけ、「星野さん、大坂さんを取り戻そう」と締めくくった。
京大弾圧を打ち破り、完全黙秘・非転向を貫いて奪還された二人、安田淳敏君(京大同学会副委員長)、阿津良典君(同書記長)が決意表明を行い、ひときわ熱い拍手と歓声を浴びた。
さらに動労千葉の渡辺靖正執行委員、小竹運輸労組の野澤英人副委員長、動労西日本の山田和広書記長が熱い連帯発言を行った。
全国の星野救援会が壇上に並ぶ中、「家族の訴え」として、最初に連れ合いの星野暁子さんが発言した。申し入れや面会の様子を生き生きと再現し、カイロの使用などの処遇改善を報告し、文昭さんとともに人間的共同性奪還の道を進む決意を述べた。
さらに弟の修三さん、従兄弟の誉夫さんが、文昭さんの解放の一日も早い実現を切実に訴えた。
閉会のあいさつとして共同代表の平良修さんが、「四国更生保護委員会にいい加減な結論を出させないために真剣に考え奮闘しよう。星野さんを獄死させてはならない」と、気迫を込めて呼びかけた。
最後に参加者全員で「ソリダリティ」を大合唱して集会を締めくくった。
会館前で隊列を整え、直ちにデモに出発した。
先頭に青年労働者が立ってデモコールと打楽器でリードし、暁子さんら家族が「星野文昭さんを自由に!/全証拠開示・再審無罪」の横断幕を持って続いた。デモ隊は勢いよく外堀通りを進み、「星野さん、大坂さんを取り戻すぞ!」の叫びと「ソリダリティ」の歌声を、首都のど真ん中に響かせた。青年による手作りの、星をかたどった「無実」の装飾も人目を引いた。沿道の多くの人びとがデモに注目し、ビラを受け取り、関心と共感を示した。
日が暮れて賑わう新橋駅周囲の雑踏を縦断して、デモは熱気を帯びたまま桜田公園に到着した。星野暁子さんが「この力で文昭を、大坂さんを、必ず取り戻しましょう!」とマイクで力強く呼びかけると、拍手と歓声は最高潮に達した。全員で団結ガンバローを三唱し、勝利を誓い合った。(TN)
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