一人の解雇も許さない! 沖縄IJBS労組 選別試験にストで反撃
沖縄のIJBS(日本IBMビジネスサービス)労組は、10月19日に富田晋委員長が終日の指名ストライキに決起しました。相手は派遣元会社JC社(ジャパンコンセントリクス社)と派遣先会社AD社(あいおいニッセイ同和社)です。
このストは、「2018年問題(労働契約法で18年3月末に450万人が、派遣法で9月末に130万人が首切りの対象とされる問題)」と正面対決する闘いとしてかちとりました。
18年3月を前にJC社は有期雇用労働者を限定正社員=無期雇用にし、JC社・AD社はこの限定正社員制度を悪用して「労働者側に『無期転換への申込権』が発生する前に試験によって選別を行う」と試験制度を導入しました。合格できない者は雇い止めにし、資本家にとって邪魔な労働組合を職場から排除することが目的です。さらに限定正社員制度は労働条件を経営側の裁量で決定し、労働者をいつでも解雇できるようにすることを狙った〝正社員〟とは名ばかりの総非正規職化攻撃です。
IJBS労組はこの攻撃の本質を見抜き、組合員同士の討論の末に今回のストを決断しました。
スト当日の10月19日は、富田委員長が経営側から「限定正社員制度に伴う試験日」と指定された日であり、試験実施強行と団結破壊に対する抗議としてストに立ち上がりました。職場では午前9時50分に朝礼が行われ、午前10時に富田委員長が「ストを終日行う」と、職制の妨害を跳ねのけてスト宣言を読み上げました。門前では仲宗根光洋書記長を先頭に支援の仲間が駆けつけて座り込み、拡声器で抗議と激励の声をともに上げてくれました。
事業所敷地内の1階渡り廊下に、「一人の解雇も許さない! 非正規職撤廃! 団結しよう! ストライキ決行中」と書かれた幅3㍍ほどの横断幕を掲げて座り込みを開始。資料や組合加盟書、茶菓子、飲み物を一緒に置き、職場の労働者がいつでも一緒に座れるように準備しました。
何人もの労働者が菓子パンや缶コーヒーを差し入れてくれ、支持・不支持を表明する労働者一人ひとりと討論しました。反発して「こんなところでストやられると迷惑」と言う労働者もいました。しかし、ある女性労働者は「あなたの決意は本物だ。本当に感動するが、心配もしている。労働者の誇りを守るために負けないで」と言ってくれました。
午後7時に終了して、門前の仲間たちと合流し闘いを共有。総括集会で元全駐労マリン支部副委員長の水島満久さんから「本日の闘いで重要な地平は、反発も支持もありながら『ストライキとは何か』を富田委員長の闘いで全労働者の前ではっきりさせたことだ。この経験は労働者に新たな時代認識を与えるだろう。そしてこの闘いは全島ゼネストの発端となる」とあいさつをいただきました。
沖縄のゼネストは全国のゼネストとなる。それは2018年に向かい、一つひとつの職場から開始される。ともに闘おう!(IJBS労組委員長・富田晋)
〔写真〕〈上〉事業所の敷地内でストに突入する富田委員長
〈下〉ストと連帯し、仲間が座り込み(10月19日 うるま市)
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