〝国・都・区は戦争訓練やめろ〟 文京区ミサイル避難訓練に抗議
国会開会日の1月22日の朝、小雪が舞う中、国と東京都主導で、東京都内初の「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」が文京区役所が入る文京シビックセンター周辺と東京ドームシティなどで行われた。
これに対して、東京労組交流センターと百万人署名運動の総勢50人が、東京ドームシティ前と文京シビックセンター前で抗議行動を展開した。
「X国から弾道ミサイルが発射された」という想定で、地域住民や企業動員の労働者約350人が、10時から10時10分まで、都営交通・メトロの地下鉄構内や文京シビックセンター地下、礫川(れきせん)公園地下駐輪場などに避難する、というものだが、こんなものは住民の命を守るものでは全くない。安倍と小池の狙いは、「意味のない」訓練に自治体・地下鉄などの労働者と住民を動かすことで、北朝鮮脅威をあおり立て、戦争に動員するたことだ。戦中の「竹やり訓練」「防空演習」と同じだ。
労組交流センターは、水道橋駅前でビラまき街宣を行ってから東京ドームシティ前に移動。ここでは東京ドームの労働者約150人が訓練動員されている。登場するや、訓練取材に集まったマスコミの取材が殺到した。その中で動労東京吉野委員長、婦人民主クラブ全国協、江戸川区職の仲間などがマイクを握った。教育労働者は「戦前は国を守れと言って防空訓練に駆り立てて、結局子どもたちの命を奪った。そんなことはくり返させない」と訴えた。遠くから自作のバナーを持って駆けつけた青年が合流し、また、飛び入りでマイクを握って訴える人も出た。
文京シビックセンター前では、町内会に動員された住民が集められ、10時3分に防災無線のアナウンスがありJアラートのサイレンが鳴ったのを合図に警察官が「Jアラートが発令されました。至急避難してください」と叫び、地下鉄後楽園駅構内に誘導されていった。しかし、Jアラートは弱々しく小さな音だ。また事前の案内看板は「訓練実施のお知らせ」とあるだけで、戦争をあおる文言は書けていない。安倍も小池も、56%を超える「安倍による改憲反対」の声に戦々恐々としながら、ごまかし的に東京初の訓練に踏みこもうとしているのだ。百万人署名運動の仲間は、「脅威あおって戦争するな」「戦争動員拒否しよう」のボードと横断幕をもって、訓練の狙い を暴露しきった。
ロイター通信は「弾道ミサイルの避難訓練を巡っては、戦争や恐怖心をあおるなどとして反対する声もある。この日も区役所や遊園地の前では、『ミサイル訓練は戦争訓練だ』という横断幕を掲げたり、『ノー・ウォー(戦争反対)』と叫ぶ人たちの姿があった」と私たちの行動を紹介し、AFP通信は「ミサイル訓練は戦争訓練だ」の横断幕の写真を配信した。
海外メディアの多さは、安倍の朝鮮侵略戦争への突出に対する世界の人民の怒りの大きさを示している。私たちの闘いは地域の人々のもとに届き、さらに世界に発信され、「ミサイル避難訓練」を使って戦争をあおり一気に改憲にもっていく狙いは粉砕された。
とりわけ、今回の訓練動員の焦点だった自治体や都営交通、学校の労働組合の反対行動が決定的だ。東京北部ユニオンは、百万人署名運動による事前の文京区への中止申し入れに同行し、さらに地域の労組回りを行ってきた。どこの労組でも同じで、一様に驚き危機感を共有してくれた。ある労組の役員は「これは『小さく生んで大きく育てる』やり方ですね」と答えてくれた。今後安倍・小池は首都東京での戦争訓練を断続的に行おうとしてくるだろう。しかし、都労連を先頭に自治労・東交・日教組の労働組合が立てば、彼らの狙いは逆に改憲阻止のゼネストに転化する。動労総連合、合同一般全国協を先頭に百万人署名運動などの運動体が連携して、そのうねりをつくり出す責任勢力に飛躍しよう。都庁レストラン解雇撤回闘争をその鍵として位置づけ発展させよう。(東京北部ユニオン・川原成雄)
〔写真〕「ミサイル避難訓練」の会場の会場間近に陣取り、戦争動員拒否で闘うことを真剣に呼びかける全国労組交流センター(上)と止めよう戦争への道!百万人署名運動(中、下)
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