動労総連合出向無効確認訴訟 外注化粉砕へ重大局面 証人尋問拒む裁判官を忌避
動労総連合強制出向無効確認訴訟の控訴審第2回裁判が5月11日、東京高裁第11民事部(野山宏裁判長)で開かれた。
この日もJRは大量の管理者を傍聴に動員してきた。裁判はJRとの重要な攻防点になっている。
法廷では、動労水戸の石井真一委員長が意見を述べた。外注先のMTS(水戸鉄道サービス)では、プロパーといわれる直雇いの青年労働者があまりの低賃金のため次々に退職している。石井委員長はその実態を突きつけ、「外注化は破産した」と断定した。
原告代理人弁護団は、一審の結審後にJRがエルダー(定年退職後の再雇用)社員の配属先をJR本体にも拡大すると提案してきたことを指摘し、「外注化はエルダーの雇用先の確保が目的」とするJRの主張は崩れたと断じた。そして、この事実を明らかにするための証人尋問を求めた。
ところが裁判長は数分の合議の後、「証人尋問は行わない」「次回で結審」と通告してきた。代理人弁護団はすかさず、裁判官全員の忌避を申し立てた。審理はそこで中断した。
裁判後の総括集会で、動労総連合はこの裁判の重要性をあらためて確認した。東労組が崩壊する中、JRは次々と大合理化を打ち出しているが、検修部門については具体的な提案を出せていない。それは、この裁判がJRの手を縛っているからだ。動労総連合は、組織拡大で外注化を粉砕する決意を打ち固めた。
〔写真〕裁判前、東京高裁へこぶし
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