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三里塚・新やぐら裁判―NAAは求釈明に答えろ!

20180711a-1.jpg 7月9日、新やぐら裁判が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、前日の天神峰樫の木まつりの熱気も冷めぬまま、市東孝雄さんの農地を絶対に守る決意で法廷に臨んだ。
 この裁判は、市東さんの天神峰農地に建つやぐら・看板などの4つの物件について、成田空港会社(NAA)が反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したもの。
 弁護団は前回、NAAによる市東家の小作地の底地買収について、①転用目的と言いつつ具体的事業計画がなかった、②小作人の同意がない地主からの底地買収だった、③空港公団(NAAの前身)は都内に住所を置く不在地主だった――と農地法違反の罪状を列挙し、「買収は無効」として求釈明を突きつけた。
 これに対しNAAは、5月末に書面を提出。「農地売却が明らかになると地主・岩澤が反対派からの攻撃を受ける恐れがあるから隠していた」と言い捨て、あとは一切認否しないという居直り文書だ。
 農地法では、農業委員会が「不在地主」の違法を認めたら、「国が強制的にその土地を買収し現耕作者に最優先で売り渡すこと」と規定されている。この指摘に対しNAAの居直り文書は、「本件では国が買収した事実はない」と、実にふざけた一言で済ませている。「安倍内閣の国会答弁で有名な〈ご飯論法〉※と同等のごまかしだ!」と弁護団は弾劾した。(※「朝ごはん食べたか」と聞かれて「ご飯は食べてない(パンは食べたが)」のようにはぐらかすインチキ弁論術)
 弁護団は居直り文書を徹底弾劾し、「事実について逐一すべて認否せよ」とNAAに強く迫った。

 またNAAは、土地取得にあたって地主・岩澤と交わした「覚書」を今回明らかにした。それには、「市東の支払う土地の賃借料については、移転登記完了までは岩澤の所得、それ以後は公団の所得」と、恥知らずな取り決めが堂々と書かれている。しかも部分的に墨塗りがされており。弁護団は全面開示を強く要求した。
 さらに弁護団は、看板収去の要求は憲法で保障された表現の自由への侵害であることなどの主張を展開し、沈黙と居直りを決め込むNAA代理人弁護士たちを徹底的に追及した。
 次回期日は10月1日、次々回は11月26日と確認し、この日は閉廷した。

◎請求異議裁判で9月27日最終弁論期日かちとる
20180711a-2.jpg 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団は、千葉地裁民事第5部・高瀬順久裁判長との進行協議を行ったことを報告した。その協議で、請求異議裁判での7月17日結審強行という高瀬裁判長のもくろみを打ち返し、もう一回弁論を行う期日として9月27日の開廷を認めさせたのだ。
 したがって7月17日には「補佐人」として石原健二さん(農業経済)、内藤光博さん(憲法)2人の陳述と弁護団の弁論が行われ、9月27日には弁護団の最終弁論と市東さんの最終意見陳述が行われる。
 すべての裁判闘争を一つとしておろそかにせず、一体的前進でNAAの卑劣で違法な農地強奪と安倍の戦争・改憲攻撃を粉砕することを、参加者全員の確認とした。最後に太郎良陽一さんが、反対同盟主催の10・14全国総決起集会への大結集を呼びかけた。
 反対同盟と支援連は午後には千葉市の繁華街で情宣活動に立ち、猛暑の中で汗をぬぐいながら農地強奪強制執行阻止の署名80筆を集めた。(TN)

◎7・17請求異議裁判
7月17日(火)正午、千葉市中央公園集合。

決起集会後、千葉地裁へ向けてデモ。
午後2時開廷。
「補佐人」として石原健二さん(元立教大教授・農業経済)、内藤光博さん(専修大学教授・憲法)2人の陳述と、顧問弁護団の弁論

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