関西生コン支部への弾圧を許すな! 12・12全国同時アクション
12月12日、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を打ち破ろうと、関西をはじめ、北は北海道から南は沖縄まで全国各地の運動体が中心となって「弾圧をはねのけろ12・12全国同時アクション」が行われた。新自由主義の崩壊の中で襲いかかる労働組合つぶし攻撃との闘いは、岸田政権による改憲・戦争攻撃との闘いそのものだ。各地から寄せられた報告を掲載します。
●関西/大阪集会・デモに700人―「さらなる共闘拡大を」
関西では大阪市西区の堀江公園に700人もの組合員・支援者が結集し、午後2時から熱気に満ちた決起集会が打ち抜かれました。集会冒頭、改憲・戦争阻止!大行進・関西の冨山小太郎さんが司会あいさつに立ち、弾圧に怒り関生支部の闘いに心を寄せる多くの労働者・市民が、全国各地で街頭行動に立ち上がっていることを報告しました。
次に主催者を代表して「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」から岡崎進さんが発言。憲法改悪と戦争国家化への動きが強まる中、関生弾圧こそが「労働三権を定めた憲法28条を否定する『解釈改憲』そのものだ」と訴えました。
満場の拍手に迎えられ、10月10日の第57回定期大会で新たに執行委員長に選出された湯川裕司さんが関生支部を代表して発言に立ちました。
湯川委員長は「われわれは、さらなる組合員の力を引き出せる組織。確かに人数は減ったが、組合員一人ひとりが強い意志を持って団結している。闘いを止め資本と国家権力に屈することは断じてない。関生支部の闘いを次世代に引き継ぎ、産別労働運動の発展を必ずや勝ち取る。これまでの皆さんの支援を絶対に忘れることなく、さらに共闘を拡大する決意です」と力強くアピール。翌日に迫った「加茂生コン事件」控訴審判決闘争への大結集を呼びかけました。
集会は歌手の川口真由美さんによる力強い歌声と演奏に鼓舞され後半へ。「労働組合つぶしの大弾圧を許さない!京滋実行委員会」を代表して服部恭子さんが「戦争と労
組弾圧は深くつながっている」と訴え、裁判闘争勝利に向けて来春に行動を集中することを提起しました。
関生支部と連帯する議員からのメッセージの紹介ののち、関生支部執行委員の西山直洋さんが行動提起。心斎橋アメリカ村を通り御堂筋から道頓堀へ、大阪の中心部を元気に力強くデモしようと訴えました。
集会の最後に「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪」代表で全港湾大阪支部の小林勝彦委員長がまとめの発言に立ち、「今日のデモとこれからの闘いを通して、私たちの声でこの社会を動かそう。1人が10倍の力を出せばそれは必ずできる」と呼びかけ、翌日の控訴審判決闘争とともに、1月1日の大阪府警本部前元旦行動への総決起を訴えました。
午後3時を前に集会会場から勢いよく出発したデモ隊は、まずは関西屈指の「若者の街」アメリカ村に集まる青年たちの注目を集めながら進みました。デモの前列では大行進・関西の太鼓隊が街頭のボルテージを上げ、後方では学生によるサウンドデモとラップ調デモコールが街頭の耳目を集めました。御堂筋では妨害に来た右翼の無線スピーカーが誤ってデモ隊のマイク音声を受信し、黒塗りの街宣車から反弾圧のデモコールが大音量で響きわたる一幕も。明日から再び始まる決戦を前に、誰もが心奮い立つ闘いとしてこの日の行動を打ち抜きました。(関西労組交流センター・西納岳史)
●東京/新宿駅東口でリレーアピールとデモ
「関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会」の呼びかけで新宿でリレーアピールとデモ行進が行われた。
午後1時、JR新宿駅東口アルタ前に250人が集まった。まず関西生コン支部の武谷新吾書記次長と解雇撤回を闘う組合員が発言に立ち、全労働者・全労働組合の権益を守るため、現場から断固闘い抜くと決意を表明(要旨別掲)。参加者は大きな拍手で応え、共に闘う決意を固めた。
東京の会共同代表の木下武男さんは「関生支部のような組合が広がったら日本全体が変わってしまう、だから弾圧した。この闘いに多くの支援を」と訴えた。動労千葉の佐藤正和副委員長は「関西生コン弾圧を許さない闘いは、日本に闘う労働組合をよみがえらせる絶好機です」と宣言。日本機械工業労組の山口弘宣委員長は「中国をめぐって戦争を起こそうとしている情勢だからこそ、とんでもない弾圧がかかっている」と訴えた。共同代表の金元重さんは「労働組合が強くなってこそ真の民主主義が根付く」と強調した。
全学連の学生は「京都大学の学生処分と関西生コン支部弾圧、そして20代の労働者の半数が非正規という現実はすべて一体だ。戦後最大の労組弾圧に対して堂々と立ち向かっていく」と元気いっぱいにアピール。共同代表の藤田正人弁護士は「日本政府が、戦争に突き進むしかやっていけないと考えているからこその労組弾圧だ」と喝破した。
最後に事務局長の吉本伸幸さんが「弾圧で闘いをやめれば、その先に待っているのは戦争だ。職場・地域から、闘う労働組合をつくりあげよう」と訴えた。
午後2時から、「関生弾圧許すな」「労働組合で団結しよう」を掲げてデモが行われ、新宿駅を一周し圧倒的注目を集めた。
■関西生コン労働組合・武谷書記次長のアピール
関西地区生コン支部は、セメントメーカー、ゼネコン、大手商社などの大企業の収奪と闘い、産業別の賃金、雇用、福祉を生コン業界で働くすべての労働者に拡張適用させました。労働現場でのストライキなど大衆運動の発展によって獲得したものです。2018年7月から始まった関生弾圧の狙いは、関生型労働運動が全国に広がることを恐れた攻撃です。関生支部は定期大会で新たな体制を確立し、湯川新委員長のもと全組合員が団結し、権力弾圧粉砕、大阪広域生コン協組の組合つぶし粉砕、関生産別運動の再建に全力を尽くします。今、コロナ下で労働条件が悪化する中、労働組合を求めている情勢です。われわれの発信力が問われています。原理原則の現場闘争を実際に闘うこと、そして産業別労働組合の運動が広がることによって、関生弾圧を含めたすべての労働組合弾圧を終わらせることができる。階級的労働運動の復権と闘う労働組合の全国ネットワークを実現して、私たちが生きられる社会をめざして共に闘いましょう。
■解雇撤回を闘う関西生コン労働組合の組合員のアピール
労働委員会では組合側の勝利命令が出されているのに、企業は法律を堂々と破ってくる。労働組合との団体交渉も拒否、話し合いにも応じない。行政命令にも従わない。説明責任も果たさない。この闘いは全労働者、全労働組合の権益を守る闘いです。刑事事件についても1年6カ月という有罪判決が出ています。来年から高裁での裁判闘争が始まりますので、断固闘い抜く決意です。
●神奈川/横浜駅西口でアピール、さながら街頭職場交流会
「関生弾圧を考える神奈川の会」は、横浜駅西口でリレーアピールを行いました。関生弾圧を許さず、闘う労働運動の力で社会を変えようという呼びかけに総勢40人近くの仲間が集まり、11人がアピールしました。労働相談のブースが設けられ、「労働者は消耗品じゃない!声をあげよう!団結しよう!」と大書されたのぼりが林立し、参加者が「関生ストライキへの弾圧をやめろ!」と書かれたプラカードを掲げるなかで、解雇間もない中で初めて街頭でマイクを握る仲間も複数あるなど、さながら「街頭職場交流会」という様相の感動的な行動でした。
土曜休配で配達中の事故が頻発していると訴えた郵政労働者。コロナ禍で多忙化に拍車がかかる中であるにもかかわらず、冬季一時金削減と基本給大幅減額という暴挙が行われていることを弾劾した教育労働者。いずれも今までの労働組合のあり方を変えようと訴えました。
事故やミスを理由に雇い止めされ合同労組に加盟して初めて団体交渉を行ったばかりの労働者も「事故の責任は労働者にはない」と、11月集会や関生の闘いに学び解雇撤回・職場復帰まで闘う決意を表明しました。同じく雇い止めとたたかう非正規雇用の青年教育労働者は、「学校での非正規差別は社会の根源の問題」と訴え、非正規労働者がまともに生きていくことすらできない社会を変えようと、ものすごい迫力で訴えました。この中で、雇い止め解雇と6年間にもわたり闘い続けてきた動労神奈川・時廣慎一書記長の闘いの報告と裁判闘争への支援の訴えも重要でした。
次々と続く非正規労働者の怒りの訴えは街頭の雰囲気を一変させ、とりわけ若者のビラの受け取りも格段に変わります。訴えをずっと聞いていた小学生が、最後に「頑張ってください」と頭を深々と下げていく場面もありました。新自由主義の崩壊とは、闘う火種があれば労働者の怒りが解き放たれる時代の到来たと改めて実感した行動でした。(神奈川・K)
●東海/「東海の会」が名古屋街宣、共闘の拡大へ熱気あふれ
「関西生コン労組への大弾圧をはねのけろ!」と、名古屋で開催された同時アクションに、組合員とともに参加しました。「栄三越前」「ラシック前」のスタンディングとリレートークには、30名を超える参加者があり、午後2時から2時間近く中心街に「関西生コン労組つぶしの弾圧許さない!」というメッセージ・ボードの波のなかでアピールと音楽が響きわたりました。リレートークは東海の会の共同代表である熊沢誠さん、近森泰彦さんに続いて、東海地域の労働組合や市民運動の方々にマイクが引き継がれました。
「関西生コン支部は、個人加盟による企業横断労組のストライキと、スト破りに対する毅然とした行動によって労働条件の大幅な改善を実現してきたまともな組合。『労使関係がないこと』をもって『威力業務妨害』にするなら、労働争議権は実質的に破壊される」「今回の弾圧は、憲法を踏みにじるものであり、共謀罪型捜査弾圧の先駆け。すべての政治的立場や組織をこえた共同の課題。共同の闘いをひろげよう」というアピールが続きました。当該の愛知連帯ユニオン元座委員長から、加茂生コン控訴審判決への結集が呼びかけられ、闘いの継続と拡大の熱気につつまれた一日となりました。(東海合同労組執行委員長・坂野康男)
●北海道/札幌駅前で市民に支援を力強く訴え
寒風の中、札幌市内で一番人通りの多い札幌駅西口紀伊国屋前で、「関西生コン支部を支援する北海道の会」による街宣活動が行われ、25人の結集で300枚のビラが配られ大成功しました。街宣リレーは北海道の会の木田博典代表から始まり社民党、新社会党、宮沢直人事務局長、自交総連SKさくら交通労組・河野晃興委員長などから、関西生コン支部にかけられている弾圧の実態と支援活動を市民に力強く訴えました。「労働者の権利を守れ」と書かれた大横断幕をまじまじと見ていく人や「弾圧をはねのけろ」のチラシを受け取りじっくり読む人など大注目でした。街宣終了後、近くの会場で全体会議を開催し、本日の街宣の成功を確認し、街宣活動の継続と、次回からは署名活動や看板を増やすなど工夫を凝らすことを確認しました。また、2月には室内集会のイベントをすることを決め、関西生コン支部への弾圧を許さない活動継続を確認しました。(北海道労組交流センター・城地良和)
●沖縄/那覇市の県庁前でスタンディングアクション
沖縄では、改憲・戦争阻止!大行進・沖縄が呼びかけ、那覇市で県庁前スタンディングアクションが取り組まれた。大行進・沖縄は「労働運動弾圧は戦争への道。沖縄が再び戦場にされようとしている中で、改憲・戦争に真正面から反対する労働組合の存在は決定的です」と訴えた。行動には、辺野古ゲート前で関生の基地建設反対のミキサー車デモを見たことがあるという人も飛び入りで参加した。
●九州/博多駅前で街頭宣伝
福岡県労組交流センターと改憲・戦争阻止!大行進九州は、全国同時アクションの一環として、JR博多駅前で街頭宣伝行動を行いました。 「関西生コン支部への弾圧は、すべての労働組合を破壊する攻撃」「改憲・戦争へ突き進む自民党・岸田政権を打倒する最先端の攻防として労組破壊攻撃をはねのけよう!」――労組交流センターに結集する自治体労働者、運輸労働者を先頭に、関西生コン支部との連帯、弾圧粉砕のアピールが街頭に響きわたり、圧倒的な注目のもと、用意したビラが瞬く間に無くなっていきました。多くの労働者がアピールに応え、「そうだ!」と声を挙げてくれました。 同時刻、同じく博多駅前に自民党参院議員で日本会議所属の極右・大家さとしが登場してきました。徹底弾劾の声を叩きつけ、改憲に突き進む岸田政権もろとも打倒することを宣告して街宣行動は締めくくられました。
●広島/本通りで街宣とリレーアピール
全国統一行動の一環として広島連帯ユニオンが呼びかけ、本通り青山前で街頭宣伝&スタンディングを行いました。自治体労働者や動労西日本も含め10人で登場。
参加者が交代でマイクを握ってアピール。宮原亮委員長は「労基法も守らないような経営者が蔓延(まんえん)している中、今こそ関西生コン支部のような労働組合が必要だ」と訴え、森実執行委員は「女性労働者の自殺が増えている。こんな社会は労働組合の力で変えなければならない」と訴えました。
「関西生コン支部への労組弾圧許すな!」の横断幕を掲げての登場で1時間で150枚のビラが配布されました。
●岡山/岡山市で決起
岡山で改憲・戦争阻止!大行進岡山(代表:百本敏昭自治労倉敷副委員長)が、「関生弾圧弾劾!関生支援」の一斉街頭行動を行いました。労働組合岡山マスカットユニオン、全国農民会議、百万人署名運動の仲間がビラ撒きマイク宣伝を行いました。全日本建設労働組合関西生コン支部の産業別労働運動に対する資本による政治弾圧だ。断じて許してはならない。マスカットユニオンの清水久美子執行委員長は「労働組合の弾圧は、戦争の危機が近づいている証拠だ。南西諸島への中距離核ミサイルの配備を阻止しよう」と訴えた。農民会議の内藤大一さんは「敵基地攻撃をとなえる岸田政権打倒!」を訴えた。マスカットユニオンの木村守男書記長は「岸田の『新しい資本主義』に対する回答は、資本主義の打倒であり、労働者権力の樹立だ」と訴えた。「頑張ってください」と声をかけてビラを受け取った市民が多くいた。(岡山・久志本左以志)
●香川/高松で街頭宣伝
香川連帯ユニオンと日教組香川三観地区教職員組合が高松市で街頭宣伝を行った。
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