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三里塚第3誘導路裁判、裁判長の訴訟指揮を弾劾

 20180805a-1.jpg8月3日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地強奪攻撃と騒音地獄の強制に対する怒りを一層燃やし、全力で闘った。この裁判では、国と成田空港会社(NAA)を相手に、B滑走路の2500メートルへの延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という成田空港の二つの変更許可処分の違法性を追及し、B滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求めている。
 この日は陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団は意見陳述を行った。
 成田空港は1966年の位置決定からして根本的に違憲・違法だ。当初の富里案が地元の強い反対運動で破産した直後、政府は突然三里塚案を発表し閣議決定した。これはクーデター的暴挙だ。成田は農民の土地を強奪して建設した内陸空港・欠陥空港であり、「朝鮮有事」の際には50万人の米兵を受け入れる軍事空港である。
 成田はとてつもない騒音を日々まき散らしている。航空機騒音は住民にとって単に心理的・感覚的な問題ではなく、心疾患、脳卒中、血圧異常などを引き起こして健康を直接蝕む生理的・病理学的な被害としてある。このことは厚木基地爆音訴訟においても証明され、一審で「自衛隊機の飛行差し止め」という画期的判決をもたらした。

 厚木に比べて成田が周辺住民に与えている騒音被害ははるかに大きい。だがNAAはそれを認め反省するどころか、「機能強化」と称して新滑走路の延長、深夜・早朝の飛行時間の延長を行おうとしている。市東さんに対しては、「騒音を承知で帰ってきたのだから騒音を受けない権利はない。受忍せよ。原告適格はない」などと言い放った。言語道断だ! 市東家は三代この地で農業を続けており、後からやってきたのが空港だ。
 千葉地裁の責任も重大だ。農地法裁判一審判決で多見谷寿郎裁判長は、NAAが「二度と強制的手段を用いない」と社会的に公言したことについて、「話し合いが頓挫した場合はその限りではない」と理屈をつけて、強制執行にお墨付きを与えた。弱いものは権力の命令に従えという、司法として転倒した姿勢だ。
 すべてが市東さんに農業を断念させ、生活を押しつぶし、天神峰から追い出そうとする卑劣な攻撃だ。
 7月30日には、エア・カナダの旅客機がB滑走路着陸直後に、工事中で舗装されていない誘導路に誤進入して数時間も立ち往生するという事故が起きた。市東さん宅の目と鼻の先だ。
 B滑走路とそれに続くすべての誘導路の供用の差し止めを強く求める!
 また弁護団は、千葉地裁が行っている入庁者への強制的荷物検査が、いよいよ悪質化、凶暴化していることを強く弾劾し、この重大な人権侵害を直ちにやめるよう要求した。
 弁護団の堂々たる陳述に傍聴席からは拍手と歓声が湧き、居並ぶ10人もの国・NAAの代理人弁護士たちはうなだれるばかりだ。
20180805a-2.jpg 続いて、阪本勝裁判長(似顔)の理不尽で不公正な訴訟指揮との対決となった。弁護団が二つの変更許可処分にかかわった被告(NAA・国交省)の担当責任者名を明らかせよと求めていることについて、裁判長は被告に回答・釈明を促さない。逆に弁護団に向かって、「具体的争点との関連性において明らかにしてもらいたいことを項目的に整理して出せ」などと要求するのだ。本末転倒も甚だしい! 責任者隠しへの加担であり、証人喚問への妨害だ。
 次回期日は11月9日、次々回は2月8日として閉廷した。
 場所を移して、伊藤信晴さんが司会を務めて報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団がそれぞれ発言し、阪本裁判長の姿勢の根本的誤りを明快に断じ、徹底的に争って国交省やNAAの責任者を証人として引きずり出す決意を述べた。そして本件をはじめすべての三里塚裁判を全力で闘うことが、市東さんの農地を守り抜く力となることを確認した。
 9月3日に同じく千葉地裁で耕作権裁判があることを確認して集会を締めた。
 午後に反対同盟と支援連は記録的な猛暑の千葉市街に繰り出し、農地強奪強制執行阻止署名を集めた。(TN)、

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