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改憲・戦争許さない行動を 広島の教育労働者が声明 決意固め、全国に呼びかけ

20190214a-1.JPG 「被爆地ヒロシマから全国の教職員の仲間に、改憲と戦争を許さない行動を呼びかけます」――2月10日、現職83人、元職26人の計109人が名乗りを上げ、「改憲・戦争阻止! 教え子を再び戦場に送らない! 広島教職員100人声明」(全文別掲)を発しました。新自由主義と戦争教育の突破口である「広島つぶし」の1998年是正指導(文部省の介入で自殺者まで出した「日の丸・君が代」強制)から20年。不屈に闘い続けてきた広島の教育労働者が歴史的な反撃ののろしを上げたのです。
 昨年9月末に4人の呼びかけ人でスタートした100人声明運動は非公表の賛同人も加えると140人になりました。広島市で開かれた「100人声明集会」には、呼びかけ・賛同人の教職員・元教職員15人を始め55人が集まりました。集会は100人声明を実現した自信と闘いへの確信に満ちあふれていました。

 呼びかけ人からの提起を行った広教組組合員の倉澤憲司さんは、改憲で教育がどうなるかを具体的に示しつつ、100人声明運動で教育労働者と地域の団結をつくり、「広島ともつながっているアーリーンさんやセシリーさんらが組織した米UTLA(ロサンゼルス統一教組)のストライキのような闘いを実現したい」と力を込めて訴え、参加者全員をひきつけました。
 経過報告を行った呼びかけ人の平野綾子さん(広教組組合員、「君が代」不起立処分撤回裁判原告)は、「広島からの教育労働者の声明は全国、世界に影響を与えることができる、すごいことかも」と、今この時に広島から声を上げた決定的意義を強調しました。
 不起立処分と闘ってきた東京の根津公子さんからは、「お名前を連ねられた皆様に、私は心から尊敬と連帯の気持ちを持ちます。100人は大きな数です。100人を超える仲間の支え合いに力を得て、ともに進みましょう」というメッセージが寄せられました。同じ日に千葉県で開催された国鉄集会では、動労千葉の田中康宏委員長が100人声明集会との連帯を表明しました。100人声明は、ただちに全国に、そして世界に広がっています。
 呼びかけ人、賛同人からの発言では、まともな教育もできなくなっている現実、非正規職化、子どもの貧困、そしてそれらすべてが改憲と戦争につながっていることが語られました。しかし、そこには「絶望」ではなく、100人声明で生まれた団結の力でこの現実を変えていこうという希望がありました。勤評闘争の年、1958年に就職した高教組OBの賛同人は、「今の大変な状況の中で立ち上がっているのは大したものだと思う。元気出してやりましょう」と述べ、みな大いに励まされました。
 日教組香川三観地区教組の片山元久委員長からも「香川でも声明運動を開始した」と連帯のアピールが行われました。学校・地域行事で「君が代」起立を拒否し、議会でも闘う安芸太田町議会議員の大江厚子さんら共に闘う仲間からの発言が続き、地域全体に改憲・戦争阻止の運動を広げていく展望が示されました。
 集会は感動的な成功をかちとりました。UTLAのような闘いをめざして、広島の闘う教育労働者は100人声明を武器に、さらに本格的な組織化の闘いに入ります。(広島県労組交流センター教育労働者部会)

 改憲・戦争阻止! 教え子を再び戦場に送らない! 広島教職員100人声明
◎私たち広島の教職員は、戦争と核の惨禍をくり返さないために、憲法9条への「自衛隊」明記と「緊急事態条項」新設に反対します。
◎私たちは、今こそ教職員として宣言します。教え子を再び戦場に送らない!  子どもたちに「国を守るために命を捨てよ」と教える戦争教育の復活を許さない。教育を国の戦争の道具にすることは絶対に許さない。
◎被爆地ヒロシマから全国の教職員の仲間に、改憲と戦争を許さない行動を呼びかけます。
 安倍首相は、昨年秋の自民党総裁選において、「いよいよ改憲に取り組むときがきた。自衛隊を憲法にしっかり書き込む」と宣言しました。9条に自衛隊を明記するということは、日本が本格的な武力行使と戦争に踏み込むことを阻んできた憲法9条を、逆に戦争を正当化する条項に一変させるということです。改憲とは、日本が「戦争をしない国」から「戦争をする国」へと転換することです。「戦争をしないという9条」が、「自衛」の名で「戦争をする9条」に変わるのです。
 改憲のもうひとつの焦点は「緊急事態条項」です。これを新設すれば、首相の宣言一つで「憲法停止」「戒厳令」がしかれ、一夜の内に社会全体が戦争体制に組み込まれてしまいます。
 一体、これまでの戦争で、「自衛のため」と言わなかった戦争があったでしょうか。「自衛」の名のもとに行われた侵略戦争に組み込まれ、原爆による被爆という人類史上かつてない惨劇を体験したヒロシマ。もう二度と戦争をさせないという思いが、私たちヒロシマの教職員の原点でした。
 このヒロシマの教職員の闘いと団結を破壊するために、文部省是正指導による「日の丸・君が代」強制と大量処分がありました。そして教職員の非正規職化や学校業務の民営化や外注化は、職場の分断、組合つぶし、団結破壊をもたらしてきました。
 しかし、私たちの戦争絶対反対の思い、「教え子を再び戦場に送るな!」の固い意志は決して押しつぶされてはいません。私たちは、二度と戦争を許しません。二度と子どもたちを戦場には送りません。国策に従い、「国・天皇のために命を捧げることが何にもまして尊い」「国を守れ」と子どもたちに教え込み、戦場に送り出してしまった痛苦の歴史を絶対に繰り返しません。
 9条に自衛隊が書き込まれたら、学校では、「自衛のための戦力保持、武力行使、戦争は正しい」 と教えなければならなくなります。改憲と戦争教育は一体です。戦争で殺し、殺されたのは誰だったでしょう。一握りの権力者・資本家のために、犠牲になるのはお互いの国の労働者です。私たち労働者は殺し合いたいわけではない、戦争なんていらないのです。
 「戦争だけは許さない」「教え子を再び戦場に送らない」。このことは、教職員である以上、絶対に譲れません。改憲と戦争は、子どもたちを教え育むことと相いれないのです。
 広島のすべての教職員のみなさん。今こそ職場の団結をとりもどし、戦争のための改憲を阻む声をあげましょう!   
 2019年2月10日

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