三里塚第3誘導路裁判―NAAの議事録提出拒否を許さない
4月23日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地強奪と地域破壊の成田空港拡張をこれ以上許さぬ決意で法廷に臨んだ。
今回は最初に、陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見陳述を行った。
成田空港は1966年の一方的な閣議決定で最初から住民の意思を踏みにじり敵視して造られてきた、それ自身違憲・違法の存在であり、国際空港の要件を満たさない欠陥空港である。また有事の際には軍事空港として使われる、
B滑走路と第3誘導路も基本計画を踏みにじって建設されてきた。こうしたやり放題の歯止めなき空港拡張によって、騒音と事故・落下物の危険をまき散らし、天神峰の市東孝雄さんをはじめ空港周辺の住民の生活を現に脅かしている。
さらに今、空港機能強化策と称して、B滑走路の再々度の北延伸と新たな第3滑走路の建設によって敷地を2倍に拡大し、大量移転と騒音地獄を住民に強要しようとしている。
これまでの裁判の中で国とNAAが市東さんに対し、「騒音を承知で帰ってきて住んでいるから原告適格がない」などと言い放ったことは、強盗の居直りに等しい暴言であり、絶対に許されない。
第3誘導路とB滑走路の供用を今すぐ中止せよ!
そして、NAAは「騒音健康影響調査」の全データについて、調査委員会の報告書などの提出には応じながら、同委員会の議事録については「提出義務はない」と拒否している。
これに対し弁護団は徹底的に反論をたたきつけた。 騒音問題は、その地域住民の人権侵害にかかわる重大問題である以上、公的性格を有している。調査・報告書作成の経過において、収集されたデータにどんな分析が加えられ、議論され、結論に至ったかは報告書の正確性を判断する上で必須不可欠だ。それを隠すというのは騒音被害の科学的解明を妨げることであり、「空港の公共性」を口にする資格はない。裁判所は直ちに議事録の提出を被告に命じなければならない。
裁判長は「次回までにNAAは反論を」と結論を先送りして、次回期日を9月6日、次々回を12月3日として閉廷した。
千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が発言に立って法廷を解説し、本裁判を成田空港建設の違憲・違法を暴き、市東さんに対する農地強奪攻撃を粉砕する重大裁判として闘うことを強く訴えた。
動労千葉の中村仁さんが連帯発言に立ち、千葉県労働委を弾劾する裁判で同じ内野裁判長と対峙していることを報告し、ともに勝利することを誓い合った。
さらに市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、最後に伊藤さんが、請求異議裁判控訴審の期日が9月24日に決まったことを報告し、5月13日の耕作権裁判闘争・千葉地裁包囲デモに立ち上がることを訴えて、この日を締めくくった。(TN)
◎5・13耕作権裁判闘争
5月13日(月)午前9時 千葉市中央公園集合・決起集会・デモ
午前10時30分開廷 千葉地裁
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