韓国・民主労総 非正規職6万人がゼネスト 生徒や保護者が熱い支持
全組織挙げ非正規職撤廃闘争に突入
7月3日、韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟)傘下の公共部門非正規職労働者が「非正規職のない世の中の扉を開けよう」と訴えてゼネストに立ち上がった。韓国の労働運動史上でも初の試みだ。3日にソウル・光化門広場で開催された非正規職撤廃全国労働者大会には女性労働者を先頭に6万人が結集。翌4日には全国各地で労働者大会が開催された。
日本と同様に韓国でも、公共部門は膨大な人数の非正規職労働者によって支えられている。今回のゼネストは、生きていけない低賃金や長時間労働、正規職との分断や不当な差別に苦しみながらも誇りをもって職場に責任をとっている非正規職労働者の力と存在の大きさを全社会に示すものとなった。
民主労総は4月に、傘下の複数の労組からなる「公共部門非正規職共同ストライキ委員会」を結成した。16の地域本部にゼネスト委員会を設置し、非正規職撤廃闘争を組織全体の正面課題として闘ってきた。こうした意識的な闘いが実を結んだのだ。今回のゼネストは、公共部門のみならず全産別での非正規職労働者の闘いを前進させるものとなる。
新しい時代を開く労働者の実力闘争
今回のストライキの偉大さは、これが全社会を獲得しながら闘われたことに示されている。
例えば教育現場では、調理員のストにより全国2177の学校で給食がストップした。これに対し生徒や保護者たちは「不便でも大丈夫」、(ストを支持することは)「私とともに生きる誰かの権利を守ること」と、ストに温かい声援を送った。
フェイスブックを通じてスト支持声明を発表した高校生団体の代表は「生徒たちも卒業したら非正規職になるから、調理員さんたちがなぜストをするのか関心が高まった」と述べた。
さらに、ある地域の保護者会は記者会見で「今回のストは自分たちだけの闘いではなく、子どもたちが『非正規職のない世界』で差別や蔑視を受けない労働者として暮らせるようにするための闘争なので、堂々と全面ストに突入した学校の非正規労働者たちを応援する」と明らかにした。非正規職撤廃は、生徒や保護者自身の要求そのものだ。
この春に闘われた米UTLA(ロサンゼルス統一教組)のストライキも、生徒や保護者の全面的な支持を受けて地域を丸ごと動かす大闘争となり、歴史的な大勝利をかちとった。
また、2016年に「ろうそく革命」の突破口を開いた韓国・鉄道労組のストライキの際に青年たちから上がった「ストライキありがとう」「労組を守るのは私たちの生きる社会を守ること」という声は、社会の根本的な変革をめざす行動となり、ついにパククネ政権を倒した。
今回のストライキはこれと同様に、新たな時代の始まりを告げ知らせている。ムンジェイン政権の公約履行に期待するのではなく、労働者民衆の実力闘争によって非正規職のない社会をつくる新たな闘いが始まったのだ。
韓国労働者民衆の闘いに学び、日本においても非正規職労働者の怒りと結びつく挑戦に打って出よう。
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