コンビニ100店、元旦ストへ オーナー「実力闘争しかない」
「元旦くらい休ませろ」
コンビニ関連ユニオンとセブン―イレブン加盟店オーナーが11月11日、都内で記者会見を開き、24時間365日営業強制の廃止を求め、元旦ストライキ(休業)に入ることを表明した。セブン、ローソン、ファミリーマートなど100店舗の実施をめざし、本部社員、配送ドライバーら関連労働者にも呼びかける。
命にかかわる問題
今年2月に実力で時短営業に踏み切った大阪府東大阪市のセブンオーナー・松本実敏さんは、「たった一人で時短を起こしただけで、これが認められるようになった。今度はお正月の休日を認めさせることができるはず。実力行使しないと(本部は)話し合いに応じない」と固い決意を表した。決定権をもつ永松社長が店に来て謝罪しない限り「強行する」という松本さん。「今、一番大事なのは命にかかわることだ」と強調する。
経済産業省が5日に発表したコンビニオーナーを対象にしたアンケートでは、週休1日以下は85%、1日未満だと66%に上る。「深夜勤務は当たり前で、休暇は27年間一度もない」という訴えもあった。1日の店舗対応時間でも、オーナーの家族では12時間以上が56%を占める。24時間365日営業の強制がオーナーとその家族から人間らしい生活を奪っているのだ。
松本さんは「(本部の)鎖につながれた人、休めない人がいっぱいいる。鎖を外さないといけない。みんなで団結して実力行使でやっていく」と力を込めた。
営業時間の裁量を
コンビニ関連ユニオンは、セブン本部に対する三つの要求①本部に支払うチャージ料(経営指導料)の一律9%削減、②オーナーに営業日時の裁量権を認めること、③もの言うオーナーと契約改定のために話し合うこと――が受け入れられないなら、12月11日に公正取引委員会への第4次申告を行い、元旦スト(休業)に入ると表明した。
セブン本部は10月21日に時短ガイドラインを発表し、今月1日から時短本格実施をアピールしたが、ガイドラインは正月・盆の休業や定休日も許さない。オーナーの営業時間や休日の裁量権も認めない。しかも、関連ユニオンやオーナーが求めてきた契約改定(5年ごとに改定するはずだが40年間一度もされていない!)の話し合いを一度もすることなく一方的に決め、契約でもないのに強制する。セブン本部の本音はあくまで24時間365日営業の死守だ。関連ユニオンの鎌倉玲司書記長は「オーナーも人間。健康に生きる権利がある。一般労働者並みの休みが必要。コンビニ24時間365日営業こそ過労死社会を当たり前にしてきた大きな原因だ」として、元旦ストに総力を挙げることを訴えた。
永尾潤副委員長はこの日に行った公取への第3次申告について報告し、セブン本部のうそを暴いた。セブン本部は、”オーナーが病気や冠婚葬祭などの際、本部社員を派遣する「オーナーヘルプ制度」があるから24時間営業は大丈夫だ”と契約時に説明していたが、いざ永尾さんが申告したら「使えない」という。だが本部は「100%実施している」と公表している。こうやって本部は新規契約者をだましてきたのだ。どこまでも腐っている。
事態は大きく動きだしている。過労死のない社会のために、元旦スト100店舗実施へ組織しよう。
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