警察の虐殺弾劾! ILWUローカル10、メーデー港湾封鎖へ
ILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)執行委員会は、4月4日のサウスカロライナ州ノースチャールストン市での警察によるウォルター・スコット氏の虐殺を弾劾し、5月1日メーデーにオークランド港での労働を停止することを決議した。
昨年8月6日のミズーリ州ファーガソンでの虐殺事件以来、ビデオなどの明々白々は証拠にもかかわらず、そして労働者人民の激しい怒りと大規模な闘いにもかかわらず、虐殺した警官たちは皆、不当にも無罪放免になってきた。今年に入ってからも、1日に3人が殺され、むしろ警察の虐殺は増えつづけている。
このウォルター・スコット事件でも当初当局は「警官の正当防衛」と居直ったが、ビデオ証拠が公表されるや、一転してこれを警官による犯罪と認めて逮捕し、再発防止策を発表した。これは、全米的に注目されたこの種の事件としては、初めてのことだ。労働組合の本格的な決起に追い詰められたということだ。
地域最大の労働組合ILAローカル1422(国際港湾労働者組合〔東海岸港湾労組〕第1422支部、チャールストン港)を始め、AFL-CIOサウスカロナイナ州連盟傘下の労働組合がスコット氏の遺族とビデオを提供した証人を警察の圧力から守り抜き、正面から権力犯罪を追及する闘への決起を開始したのだ。被害者ウォルター・スコット氏は、ローカル1422組合員であるロドニー・スコット氏の兄であり、組合員の中には親戚もいる。組合員にとっても、地元の地域社会にとっても、まさに自分の問題だ。
●全警官ボディーカメラ装着=監視社会化
この労働者階級の闘いに追い詰められた市長は、この「再発防止策」に猛毒を仕込んだ。すなわち、市の「警官全員にボディー・カメラを装着させ、すべての職務行為を撮影させる」というのだ。これは、体制内「左派」勢力の「ボディーカメラで警官の職務を撮影させれば違法な行為はしなくなる」という主張を利用し、NSA(国家安全保障局)の電話・インターネット盗聴と合わせて、徹底した監視社会化を実現しようとする狙いだ。このこともあって今、ノースチャールストンの事件をめぐる闘いが、全米的な階級闘争の焦点になっているのだ。
ILWUローカル10は、長年の堅い連帯関係を築いてきた東海岸のILAローカル1422の仲間の呼びかけにこたえて、自分の職場からの闘いに立った。すでに2010年、ローカル10は、オークランドで09年に起きた警察による黒人青年オスカー・グラント氏虐殺を弾劾して港湾封鎖で闘った経験を持っている。そのスローガンが「一人への攻撃は皆への攻撃」「差別はボスの武器」だ。
サンフランシスコ湾岸地域の労働組合――OEA (オークランド教組、SEIUローカル1021(サービス従業員労組第1021支部、サンフランシスコ市職や病院関係などを組織)、UAWローカル2865(全米自動車労組第2865支部、カリフォルニア大学バークレー校などの大学院生・講師を組織)などの労働組合やオキュパイ・オークランド運動などの地域の運動体がこれを支持し、オークランド港から市役所前広場までデモを行う。
日本の動労千葉、階級的労働運動の11月集会に参加し、国際連帯を強めてきたILWUの組合員たちの闘いとともに、オバマ・安倍の階級戦争と闘い、職場・地域の拠点を建設しよう。
写真は
①ILWUローカル10のオスカー・グラント氏虐殺弾劾の港湾封鎖集会(オークランド市役所前広場、2010年10月23日)
②警官の暴行から逃げるウォルター・スコット氏を後ろから銃撃(4月4日)
③警官のボディーカメラ
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