成田空港公聴会弾劾! 三里塚反対同盟が抗議闘争
12月24日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生は、成田空港大拡張・第3滑走路建設のための「公聴会」を弾劾する闘いに、会場内外で呼応して立ち上がった。
第3滑走路を新たに建設し、現在の空港敷地を2倍化するという成田の「施設変更」を、成田空港会社(NAA)が申請し、それを許可するかどうかを航空法の定めにより国土交通省が「住民や関係者から意見を聞く場」というのが公聴会の建前だ。だが実際ははじめから「やる」という結論ありきで、「意見を聞いた」というアリバイづくりの手続きにすぎない。
午前9時、会場の芝山町の芝山文化センター前に、反対同盟が陣取り、「アリバイづくりの公聴会弾劾!/第3滑走路粉砕!強制収用実力阻止!」の横断幕が広げられた。動労千葉の中村仁さんも駆けつけた。
反対同盟の宣伝カーが一帯を周回し「地域を破壊し住民をたたき出す空港拡張、第3滑走路建設を阻止しよう」と訴え続けた。
入口には警察・機動隊がものものしい警備態勢を敷き、入構車両にくまなく金属探知機を当てている。
入っていく人々に次々と反対同盟のビラが手渡された。相川勝重芝山町長とともに推進派に転落して久しい石毛博道の乗る車に対しては、怒りの大糾弾がたたきつけられた。
公聴会開始に合わせて10時過ぎに、文化センターと芝山町役場を包囲し一周するデモに出発した。快晴のもとで実り豊かな畑が広がる農村地域に、「公聴会弾劾」「生活破壊の第3滑走路許すな」「芝山町の売り渡しを許さない」「市東さんの農地を守れ」のシュプレヒコールが響きわたった。
会場内では10時に公聴会開始。300人ほどの傍聴者を前に、最初に注意事項として撮影・録音など一切禁止、拍手も「みだりな発言」も許されないと通告された。その一方で「主宰者」は記録としてビデオを撮影するという。この一事でイカサマぶりが明らかだ。マスコミ取材までも規制するこの措置は、抗議により一応撤回された。
「公述人」として最初にNAAの椎名明彦副社長が演壇に立ち、「空港の施設変更」の概要を述べ立てた。傍聴席から「なぜ田村社長が出てこない」「空港拡張やめろ」と野次が飛ぶと、国交省の職員が声を出した人びとにつかみかかり強制的に退場させた。傍聴人からはさらに抗議の声が続く。
そうした中で、38人の公述人が次々と発言した。成田市長の小泉一成、芝山町長の相川、横芝光町長の佐藤晴彦、千葉県副知事の高橋渡ら推進自治体の代表、さらに空港関連企業の数々、京成電鉄、観光業、銀行、成田商工会議所ら地域の推進団体など、空港利権にあずかる連中が、「地域の発展のため」などと臆面もなく賛成論を述べ立てた。連合千葉の小谷裕会長は、「雇用創出」を理由に推進を訴えた。賛成派に対し拍手は一切なく、「住民の気持ちがまったくわかっていない!」などの弾劾の声が突きつけられた。
対して明確に「反対」を主張したのは6人。移転強要される地域に住む芝山町民として、反対同盟の伊藤信晴さんが「絶対反対」を訴えた。第3滑走路建設は、農地・山林・地形を回復不能に壊滅させ、地域を分断するものであり、「空港との共栄」が虚偽であることを具体的かつ平易に暴露し、大きな拍手を受けた。
さらに住民の怒りの発言が続いた。「これ以上の住民無視の騒音拡大は許せない。がまんの限度を超えている」「強行されれば生活できない。機能強化をやめよ」――これらの切実な反対意見に、賛同の拍手が寄せられた。
国交省は、1月中にも結論を出すという。公聴会は確かにアリバイづくりの儀式ではあったが、その中で実際に移転を迫られ騒音被害を受ける地元住民は切実に圧倒的に反対であることを示した。
反対同盟が半世紀を超えて守り抜いてきた「空港絶対反対」の地平にこそ、住民の命と生活を守る勝利の展望がある。市東さんの農地を守り、住民の決起と結んだ空港機能強化・第3滑走路を粉砕しよう。(TN)
◎三里塚新年デモ&団結旗開き
1月12日(日)
●新年デモ
午前10時30分 市東さん宅南側開拓組合道路に集合
●団結旗開き
午後1時 レストラン「ハナマサ」(成田市並木町字大久保台219)
■請求異議裁判控訴審
1月16日(木)午後2時開廷 東京高裁(大法廷)
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