市東さん耕作権裁判、NAAの証拠隠しを徹底追及
10月18日、千葉地裁で市東孝雄さんの耕作権裁判の口頭弁論が開かれ、農地強奪攻撃に対する怒りを湛えて、反対同盟を始め労農学市民が傍聴席を埋め、ともに闘った。空港会社(NAA)が「契約地だ」と主張している場所について、実際に市東家は一度も耕したことがない。この決定的な事実を突きつけられ、NAAは完全に行き詰まっている。反対同盟顧問弁護団は、旧地主である藤崎政吉と空港公団(NAAの前身)の間で交わされた土地買収交渉の記録、報告書の提出を再三にわたって強く求めてきた。ところがNAAは交渉担当者がすでに死亡しているので「わからない」としらを切っている。誰が聞いてもウソと分かる逃げ口上だ!
この卑劣なNAAのだんまりと居直りをかばい立てしているのが、白石史子裁判長だ。反対同盟側の求釈明に対し答えるかどうかをNAA代理人に聞くだけ。答えない、出さない、わからないと言えばそれはNAAの勝手で、「はい次に……」という具合だ。この証拠隠しへの加担と早期結審のもくろみに対し、反対同盟、弁護団、傍聴者の怒りが爆発し、裁判長の訴訟指揮を徹底的に弾劾した。反対同盟は傍聴席の最前列で「NAAが隠し持っている一切の証拠を提出させろ!」と要求した。このあまりにも当然の声に包囲され、裁判長は立ち往生した。次回の弁論は来年の1月24日。ここで追及の手を緩めず、NAAの主張の誤りを確定させよう。
閉廷後、近くのホテルで記者会見と報告集会が開かれた。最初に市東さんが立って、「証拠を隠したままずるずる結審までやっていこうとしているのは明らかだ。きょうは弁護団と傍聴者の気迫で裁判長を押し込んだ。これからもこういう闘いをやっていきましょう」とあいさつし、大きな拍手を受けた。続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が次々と法廷の解説と決意を述べた。北原鉱治事務局長は弁護団の奮闘を称えて、「旧地主の藤崎を法廷に出させなくてはならない」と徹底追及を呼びかけた。
さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の関道利執行委員、関実、群馬の青柳晃玄さんが連帯の発言をした。動労千葉の関さんは「鉄建公団訴訟でも、JR不採用になった動労千葉の組合員が数日前は名簿に載っていたことを証言させた」と法廷闘争の重要性を語り、12月ダイ改時の外注化阻止決戦と11・7労働者集会への大結集を呼びかけた。司会の鈴木謙太郎さんがここで、「11月は裁判が4つある。5日に現闘本部裁判控訴審、16日が団結街道の初弁論、18日が私のところの(鈴木)一坪裁判、26日が市東さんの行政訴訟と農地法裁判」と列挙し、傍聴への参加を要請した。
最後に萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「11月5日の控訴審は特に大結集をお願いしたい。成田のハブ空港からの陥落は反対同盟44年の闘いによるもの。われわれは勝てる。一つひとつの裁判を全力でていねいに闘っていこう」とアピールし、全員が大きな拍手で応えた。11月5日、高裁包囲デモ(午前11時半日比谷公園霞門集合)と現闘本部裁判控訴審傍聴へ! その勢いで11・7全国労働者総決起集会の大結集を実現しよう。(TN)
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