三里塚反対同盟、コロナ情勢下で第８２回一斉行動に立つ

新型コロナ情勢に対応し、空港周辺一斉行動の朝の意思一致を市東さん宅離れの庭で行った（４月１９日）

４月１９日、三里塚反対同盟と支援連絡会議の仲間は８２回目となる空港周辺情宣一斉行動に立った。
午前８時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅「中庭」に３密を避けて集まった仲間は朝の打ち合わせを行った。
反対同盟事務局の伊藤信晴さんが司会を務め、「コロナ情勢の中、芝山町が都市計画マスタープランを示し空港会社と一体となってもう一歩踏み込んでいます。今日のビラを町民のみなさんに届けましょう」と呼びかけた。
続いて、市東さんが「もう少し落ち着いたらになると思いますが、空港会社や行政の様々な攻撃を同盟がいかに住民に説明できるかが問われています。こういう状況なので今日はポスティング重視でがんばっていただきたい」と一同を激励した。ふたたび伊藤さんが住民の具体的な反応に触れ、「マスタープランは砂上の楼閣。住民を追い出しておいて何を言っているのかという怒りを共有しよう」と呼びかけた。

左から市東孝雄さん、伊藤信晴さん、太郎良陽一さん

今回用意された反対同盟ニュース第７７号はＡ４判２㌻。表面で、第３滑走路計画・Ａ滑走路の深夜運用の中止を訴え、裏面で、芝山町都市計画マスタープランを批判している。
一同、ニュースを手に芝山町中心に担当地域へと飛び出した。
前日の大雨が上がった雲一つない好天の下、多くの農家が代かきや田植え、サツマイモの作付けに汗を流していた。
「百姓はコロナだろうが農作業しなけりゃ生きていけないよ」と忙しく働く中、ビラ配布に訪れた仲間を逆に激励し、積極的に話をしてくれる人も多く見られた。とりわけ先週からＢ滑走路が閉鎖され、本来の静けさが戻ったことについてあちこちで話題に上った。
「こんなに静かになるとは思わなかった。このまま飛ばなければいい」「昔に戻ったみたいだ」「Ａ滑走路も封鎖してほしい」
そして、空港機能強化を今すぐ撤回するべきだとの力強い声が多数寄せられた。
「コロナはいつまで続くかわからない。第３滑走路なんて絶対にできない」「空港会社の破産は必至」「空港は終わったね」「ＮＡＡは国に借金を申し出ている。第３滑走路どころじゃない」「『不要不急』の機能強化こそ『自粛』すべき」

芝山町が発表した「都市計画マスタープラン」の土地利用の基本方針図に、成田空港滑走路の位置を重ねたもの。「産業振興エリア」「観光交流エリア」「農業振興エリア」などという文字が躍るが、現実には町の約５分の１がつぶされて空港敷地になり、７０％が殺人的騒音地域となる。町そのものの破壊計画であることは明らかだ。

また、芝山町でも新型コロナウイルスの感染者が出ていることについて、「町の方からなんの通知もない」「町民の命と健康を守るはずの相川町長は何をやっているのか」との声が複数寄せられた。さらに、「安倍の対応は遅すぎる。補償がなければ首をくくるしかない」と切迫した状況について怒りをもって語る住民もいた。
東京高裁あての「市東さんの農地取り上げ強制執行を許可するな」の要望書を渡してくれる家もあった。
翌日、朝の決戦本部会議で一斉行動の集約を行った。ＮＡＡの破綻的現状について住民から寄せられた様々な情報について共有し、今後の宣伝煽動に生かしていくことを確認した。さらに、横芝光町が発表した都市計画マスタープランでは「騒音との共生」を「自然・田園との共生」と言い換えていることに対しても後日、情宣活動を行うことを確認した。
次回の一斉行動日は、５月１７日（日）の予定だ。（Ｎ）