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土地調査規制法案を廃案へ! 基地周辺住民を監視・弾圧

住民を監視し、戦時体制づくりを目的とした「重要土地調査規制法案」の国会審議の山場である5月26日の夕方に「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」が呼びかけた緊急集会は怒りがあふれた(首相官邸前)

今国会で菅政権は、重要土地利用調査規制法案の制定を狙っている。
その内容は、国が自衛隊や米軍の基地など「重要施設」の周囲おおむね1㌔や国境離島内にある区域を「注視区域」に指定し、①土地・建物の利用状況を調査できる、②調査して「施設機能を……阻害する」、またはその「おそれがある」ときは利用中止を勧告・命令できる、③調査のために自治体に情報提供を求め、土地の利用者には報告や資料の提供を求めることができる——というものである(表参照)。
これは、米日帝国主義の中国侵略戦争体制づくりの重大な攻撃である。基地周辺住民の動向を調査・監視し、反戦・反基地運動を弾圧し処罰することを可能にするものである。
国会審議で、政府は500を超える防衛施設が規制対象(注視区域)になると言っている。「注視区域」の名称が示すとおり、そこに住んでいる住民が常時、監視される。住民の監視や調査を行うのは自衛隊員だ。情報は、内閣府に新しくつくられる部局に集中される。情報収集や調査を担う防衛省・自衛隊職員も大増員される。デジタル独裁法と合わせて、個人情報が国家の中枢に集められ、外国人を含む全国の人民が監視、弾圧の対象とされるのだ。かつて自衛隊の情報保全隊が自衛隊のイラク派兵に反対する市民活動を監視し情報を集めていたことが大問題になったが、今回の法案は、自衛隊の基地外の調査・情報収集活動に全面的にお墨付きを与えるものである。戦前、憲兵隊が労働者・民衆への弾圧の先頭に立ち、日本が戦争への道を突き進んでいった歴史を忘れることはできない。

「重要土地調査規制法案」の国会審議強行に対して廃案を求める座り込み行動が在本土沖縄県民を先頭に連日闘われている(5月26日昼過ぎ 衆議院第二議員会館前)

この法案はとりわけ、沖縄県民の粘り強い反戦・反基地闘争に打撃を受けている日帝権力が、沖縄の闘いの圧殺を狙ってかけてきたものである。全国の米軍基地の70・6%が集中する沖縄は多くの土地が「注視区域」になる。嘉手納町では住宅地域全域、普天間基地がある宜野湾市も大部分が「注視区域」に指定されるだろう。自衛隊のミサイル部隊や沿岸監視隊の基地が造られている宮古や石垣、与那国島も同様だ。住民が常に自衛隊に監視され、調査される。基地反対運動の事務所や団結小屋は「施設機能を阻害」するとして、土地の利用が禁止されることにもなる。
戦前、「要塞(ようさい)地帯法」や「軍機保護法」で軍事最優先の体制がつくられ、住民の日常生活が次第に圧迫されていった。要塞(砲台)が造られた函館ではカメラを持ち歩くだけで弾圧され、函館山をバックに記念撮影した人が数多く検挙されたという。このような歴史を決して繰り返してはならない。
だが入管法改悪案を粉砕したように、闘えば必ず反動法案を阻止できる! 国会では連日、沖縄県民、在本土沖縄出身者が座り込み闘っている。6・6新宿大行進、国会闘争に決起し、反動法案を阻止しよう。

▼要塞地帯法 1899年制定。要塞周辺の一定距離内を要塞地帯と指定し、立ち入り、撮影、模写、測量、築造物の変更、地形の改造、樹木の伐採などを罰則付きで禁止または制限した。1945年廃止。
▼軍機保護法 1899年制定。1937年に大改悪され、軍事施設の測量、撮影、模写などを禁止・制限。最高刑は死刑。軍事機密は拡大解釈され、言論弾圧に使われた。1945年廃止。


重要土地利用調査規制法案
■自衛隊、米軍、海保、空港、原発など重要施設の周囲約1㌔や国境離島を「注視区域」に指定
■内閣府に情報管理の部局を新設
■所有者の氏名、住所、国籍や利用実態を自衛官が調査できる(調査拒否、虚偽報告には罰則)
■「機能を阻害」またはその「おそれがある」利用に中止勧告・命令できる(違反者に2年以下の懲役か200万円以下の罰金)
■特に重要な地域は「特別注視区域」に指定し、土地売買に事前届け出を義務づける

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