無実の大坂正明さんを取り戻そう/ 150人が東京拘置所包囲デモ(6月13日)
6月13日、大坂正明さん救援会と東京労組交流センターの共催で東京拘置所包囲デモが闘われた。150人が集まり、「無実の大坂さん奪還」の声を上げた。
大坂さんは1971年11月14日、沖縄県民の思いと闘いに応え沖縄返還協定批准阻止のデモを東京・渋谷で闘った。機動隊員一人が死亡したことをめぐり、デモ隊のリーダーであった星野文昭さんらとともに「殺人罪」をでっち上げられた。46年間の指名手配と闘いぬき、不当逮捕・起訴されてから4年。半世紀前の事件をめぐり公判前整理手続で権力との大激突が続いている。公判はいまだ開かれず、裁判所は不当にも大坂さんの接見禁止を継続している。大坂さんは鼻ポリープ治療を求めているが、東京拘置所は、治療もせず放置している。被告人への拷問に等しい弾圧に怒りを燃やし、この日の東拘包囲デモが闘われた。
午後1時、東京拘置所の隣にある小菅万葉公園で集会がもたれた。「まるで病気が刑罰の一つと利用されているかのようです」「今回の拘置所包囲デモは、あらゆる収容施設における医療を問うものとして行っていただきたい」との大坂さんの渾身(こんしん)の獄中アピールが紹介され、満場の拍手で確認された。
救援会の小泉義秀事務局長が「戦争・改憲情勢の中、沖縄をはじめとする労働者民衆の闘いが燃え上がっている。大坂さんを実力で奪還する闘いに突入しよう」と提起した。東京労組交流センターの山口弘宣代表は「星野さん、大坂さんが今ここにいたら、必ずこの腐りきった社会を変革する闘いに立ち上がるだろう。大坂さんを奪還し、ともに社会変革を闘おう」とアピールした。
「今そこに大坂さんが待っている。渾身の激励をしよう。今日の闘いを11・14を体現する新たな実力決起の号砲としよう」(星野全国再審連絡会議・狩野満男共同代表)、「監獄医療が獄中者を支配する道具になっている。獄中者と連帯して闘い続けよう」(救援連絡センター)と賛同団体が発言。大坂裁判弁護団の山本志都弁護士は、獄中医療問題に対する救援会の闘いの重要性を訴えた。
星野暁子さんが「今日の闘いは星野闘争の転機となった徳島刑務所包囲闘争に匹敵する画期的なデモです。全力で声を届けよう」と発言し、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う十亀弘史さん、板垣宏さんが「大坂さんと一体になり、世の中をひっくり返そう」と力強く発言し、ボルテージを上げた。入管闘争を闘う仲間と全学連が、共に闘う決意を表明した。
午後2時、いよいよデモに出発だ。拘置所の建物が大きく見えてくると、参加者が口々に大坂さんに呼びかけ、思いを爆発させた。拘置所を一周する間、「大坂さんは無実」と力を限りに叫んだ。労働者民衆の力で大坂さんを実力奪還する闘いの大きな一歩が踏み出された。
◆みんなの声が聞こえた! ――獄中の大坂正明さんから手紙――
集会・デモに参加してくださったみなさん、ご苦労様でした。そしてありがとうございました。
この日、私は午後1時に室内を流れるラジオのスイッチを切って耳をすましました。集会中の時間帯にはまったく聞こえなかったのですが、午後2時5分頃から20分程にわたってスピーカーを通した声が聞こえました。5分ずつぐらい男声→女声→男声→女声と交替したように聞こえました。
特に2度目の男声の時(おそらく2時15分〜20分くらい)に、最も私の部屋に接近したように聞こえました。……私としてはほとんど聞こえないのではないかと予想していたので、すぐ近くに聞こえたことに驚きました。何を言っているかはわからなくても、コール=みなさんの気持ちは十分に伝わってきました。
星野さんの5・30集会・デモの大成功とともにこの6・13デモの大きな励ましをもって、また新たな気持ちで裁判に臨めます。
限りなき連帯と裁判勝利の決意をこめて、あらためて心からの感謝の気持ちをみなさんに送ります。共に闘い抜きます。
2021年6月13日 大坂正明
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