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独法化阻止へ闘いはこれから/条例廃止に怒りの抗議 患者・労働者が都立病院とり戻す

本会議傍聴を前に、都議会に向けてシュプレヒコール(3月25日)

3月25日、都議会本会議での「東京都立病院条例を廃止する条例」案の採決強行に対して、医療労働者を先頭に傍聴者が怒りのコールをたたきつけた。都立・公社病院の地方独立行政法人化阻止へ、闘いはこれからだ。大量解雇―労組破壊と医療労働者の戦争動員を狙う独法化を粉砕しよう。

「都立病院つぶすな! 命を守れ! 都立病院を守れ! 独法化するな!」
淡々と議事を進め、何事もなかったかのように労働者・患者・市民の声を封殺して独法化関連議案を可決しようとする都議会に対して、白衣の医療労働者の怒りの一声を皮切りにコールが続々と連なった。
あわてふためいた議長はたまらず退場命令を乱発したが、議場には外に連れ出される医療労働者の「介護施設ではクラスターが起きてるんです! ご利用者が入院できないんです! 小池都知事! 命を守ってください」という涙交じりの必死の訴えが響き渡った。

●現場労働者の誇りと団結を奪うな!
都知事・小池よ、担当する病院経営本部長よ。コロナ下で都立病院の労働者が必死にがんばってきたから、お前らはぬけぬけと独法化=自治体病院の民営化などという机上の空論をもてあそべるのではないのか? 多くの労働者はコロナによってではなく、むしろ独法化提案のせいで退職せざるをえなくされてきたのではないのか?
本会議に先立つ都議会厚生委員会での質疑でも、都は「今年度、公務員病院職員の離職は異例の600人を超える見込み」だと言明しながら平然としている。現場の労働者をないがしろにし、誇りも労働組合の団結も踏みにじろうというのか!
独法化の狙いは、都立・公社計1万5千人の労働者の大量解雇―労組破壊、そしてそれを通した医療労働者の戦争動員だ。都立病院機構の「定款」には、戦争をも想定した緊急事態業務を知事・理事長双方が発令できる職員有事動員を規定する内容が盛り込まれている。独法化はまた、理事会の運営によって自治体病院を一握りのブルジョアジーの金もうけの道具に変えるためのものでもある。
しかも小池は昨夏、コロナ第5波で医療破綻が起こるなかでも感染者の自宅放置を続け、独法化を推進してきたのだ。絶対に許されない暴挙だ。そもそも、都立病院150年の歴史はコレラや赤痢などの感染症対策から始まった。それを小池は「独法化は感染症対策強化のため」などと詭弁(きべん)を弄(ろう)して破壊しようとしているのだ。賛成した自民・公明・都民ファースト、そして一部賛成に回った立憲民主の罪は大きい。

●7月独法化阻止へ運動を拡大しよう
都立・公社病院独法化議案の採決強行に対して、医療・介護労働者と並んで地域の患者・市民の怒りの決起がたたきつけられたことは決定的だ。7月独法化強行を狙う小池に対して、新自由主義と戦争・民営化を粉砕し、患者・労働者の手に都立病院を取り戻す永続的闘いが始まったのだ。
3月25日午前には、「都立病院をつぶすな!署名アクション」、墨東患者・市民の会などが第7次署名提出行動を行った。今回提出分は731筆で、総計は1万6383筆に上る。
対応した病院経営本部の課長らに対して参加者は、地方自治法から病院を外して「行政的医療」を行うとしていることの矛盾や、約7千人もの職員を同意もなしに非公務員化することの犯罪性を追及した。独法化された各地の病院で理事会独裁のもと大量離職が相次いでいること、成績主義や病床削減などの実態を突きつけ、独法化関連議案の採決中止を強く求めた。
この間、独法化反対闘争は職場・地域に根ざした運動として発展している。独法化関連の審議が開始された厚生委員会初日の3月15日には、昼街宣に続いて約50人が都庁包囲デモに決起した。都立松沢病院の近隣住民も高齢をおして車いすで駆けつけてくれた。
さらに厚生委員会最終日の3月17日には、署名アクションと墨東患者・市民の会などが都議会に駆けつけ、独法化関連の議案採決を徹底弾劾した。この間、都議会の傍聴を続けてきた墨東患者・市民の会の仲間は「東京都議会は日本の自治体議会の中で最低の議会」「都立病院の存亡がこんないい加減な連中にないがしろにされるのは我慢なりません。これからも独立行政法人化に反対したい」(同会ニュース)と決意を新たにしている。
署名運動をさらに拡大し、労働者・患者・市民の怒りと結びついて闘おう。7月独法化強行を絶対に阻止しよう!(岩崎泰章)

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