医療と戦争は相いれない 労組を軸に地域医療交流集会
6月19日、大阪の高槻現代劇場で開催された「6・19地域医療交流集会」に、八尾北医療センター労組、高槻医療福祉労組をはじめ全国から闘う仲間130人が結集し、大成功しました。司会は八尾北労組の出口和美さんです。
立命館大学生存学研究所客員研究員の西沢いづみさんは開会あいさつで「岸田内閣の『骨太方針』は、戦争を現実のものとして取り上げるものだ。しかし私たちにはそれを止める力がある」と力強く訴えました。
続いて八尾北医療センターの末光道正院長が「医療と戦争は相いれない」と題した問題提起を行いました。末光院長は、米大統領バイデンが言う「民主主義」がコロナでも戦争でも「助かる命」を奪ってきたこと、日本の岸田政権も防衛予算を倍増させる一方で医療・福祉の予算を削ろうとしていることを批判。「大阪のコロナ死者数が全国1位なのは、維新・橋下が大阪府知事になって以降、公立病院、保健所、看護学校を減らし続けてきた結果だ」と弾劾しました。
こうした新自由主義攻撃に対し、末光院長は「感染症・戦争と向き合ってきた戦後革命期の地域医療に答えがある。西郡では労組と地域の部落解放運動、大学や保健所などが一体になって感染症に立ち向かった。この闘いをよみがえらせよう」と提起。また「安全性も効果も証明されていない遺伝子ワクチンの強制はおかしい。接種後の死亡と後遺症を隠蔽(いんぺい)するな」と述べました。
最後に、「地域医療の原点に立ち返る必要がある。戦争を止める行動を起こすのは今だ。命を守り戦争に反対する労働組合をつくり、国際連帯を広げよう。資本主義を打倒し労働者が主人公の社会をつくろう。地域医療交流会に参加してください。八尾北に来てください。ともに闘いましょう」と熱烈に訴えました。
続いて「発熱外来は医療の最前線」と題し、八尾北労組の灰垣美佐子書記長が同労組と地域医療交流会の歩みを提起しました。2020年のコロナ感染拡大以降、八尾北医療センターでは感染対策委員会を設置。4月に労組声明を出し、労組を軸にして現場と団結し、みんなでテントを建て、生き生きと発熱外来に取り組み始めたことが決定的だったと強調しました。
その後、現在に至るまで地域医療交流会での真剣な議論を重ね、昨年8月8日には本田宏医師とリモートでつながり、地域医療交流集会を開催し成功したこと、今年2月には戦争が始まったなかで「声を上げ行動する交流会」へと転換し、行動を開始したことが詳しく報告されました。
灰垣書記長は最後に改めて地域医療交流会への参加を訴え、「ぜひドクターに、八尾北医療センターに来ていただきたい。ともに闘おう!」と呼びかけて提起をしめくくりました。
会場からの発言では高槻医療福祉労組の村山裕子委員長がストライキを軸とする闘いの報告を行い、東京から駆けつけた医療労働者が都立病院独法化反対の闘いを報告。独法化は労組つぶし攻撃でもあり、絶対に阻止しようと訴えました。元保健師の方は「保健師の数が多い県はコロナの死者が少ないことがわかった。公衆衛生にとってもっともダメなのは戦争。水の民営化もしてはいけない」と、誰が聞いても納得のいく話をしてくださいました。
まとめを八尾北労組の藤木好枝委員長が行いました。交流会には幅広い世代の仲間が参加し、初対面の人もすぐに打ちとけられるような会となりました。
ウクライナでの戦争が始まり、世界核戦争へと行きつくような情勢下で開かれたこの集会は、これまでとは次元を異にする勝利を勝ち取ったと言い切れます。労働組合が責任を取ることで多くの人たちや組織とつながれるし、もっと団結を拡大できると実感しました。事前の準備や当日の役割など全体で担って集会の成功があったと思います。地域医療交流会のさらなる発展に向かってがんばりましょう。(八尾北医療センター労組・澤田祐一)
この記事へのコメントはありません。