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星野国賠 国が医師意見書提出

国賠後に東京地裁を包囲するデモ(10月20日 霞が関)

医療放棄を厳しく追及

10月20日、東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)で星野国賠訴訟第12回口頭弁論が開かれた。沖縄闘争を闘って獄中44年、無実の星野文昭同志は、東日本成人矯正医療センターで肝細胞がん切除手術を受けた2日後の2019年5月30日に亡くなった。

徳島刑務所は星野同志の体調が悪くなっているのを知りながら医療放棄し、医療センターは巨大になった肝細胞がんの手術を少人数で強行、術後も適切な措置も行わず死に至らしめた。救命のための医療では全くなかった。星野国賠闘争は、獄死の真相究明と責任を追及している。

今回ようやく被告・国側は、高松刑務所医務部医療課長の職にある池田正行医師の意見書を出してきた。しかし結論は「徳島刑務所の医師の診断に注意義務違反はない」という、肝臓がんが巨大になるまで放置したことを開きなおる許し難い意見書だ。
東日本成人矯正医療センターに関する医師の意見書について被告代理人は、提出期限を12月5日に延ばすように求めた。裁判長は「どんなに遅れても年内、それを超えた場合は証拠として認めない」と釘を刺した。

裁判のもう一つの焦点は、徳島刑務所が2019年3月13日、星野同志の病状を外部の医療機関に相談したと国側が主張していることだ。その証拠として国側は、刑務所の車の「運行日誌」を出し、この車で外部の医療機関に行ったのだと主張している。
ところが、その運行日誌はほとんどが黒塗りで、どこに運行されたのかが一切分からない。前回の第11回口頭弁論で原告弁護団から追及されても、行き先を明らかにしなかった。

岩井信弁護士は、「行き先を墨塗りにした文書では、外部の医療機関と調整を行った証拠にはならない」と厳しく迫り、裁判所に文書提出命令を出すように求めた。
星野同志の獄死は、国家による殺人だ。法廷内外の闘いで真実を明らかにし、責任を取らせよう。
次回裁判は、12月12日(月)午前10時30分、東京地裁第721号法廷だ。
11月27日に東京・星稜会館で開かれる「星野・大坂全国集会」に全国から全力で結集しよう。

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