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成田空港拡張差し止め裁判―「機能強化は違法だ!」

 千葉県庁デモに続いて9月8日、千葉地裁民事第3部(大寄久=ごうより・ひさし裁判長)で空港拡張差し止め裁判が開かれた。この裁判は、三里塚芝山連合空港反対同盟が、被告の国と成田空港会社(NAA)に対し、B’滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(10年)という二つの変更許可処分の違法性を追及し、飛行の差し止めを求める「第3誘導路裁判」として始まった(第1事件)。これに、成田の「さらなる機能強化」に伴う国の施設変更許可(20年)の無効確認と現在行われている一切の工事の差し止めを求める訴訟が加わった(第2事件)。
そして昨年10月、機能強化で騒音被害が一層深刻になる成田市、芝山町、横芝光町、茨城県稲敷市の住民30人が原告となり、国・NAAに対し機能強化と新滑走路建設差し止めを求めて提訴し(第3事件)、本裁判に併合された。
さらに本年8月24日、7人の住民(芝山町の第3滑走路予定地の地権者を含む)が同じ内容で提訴(第4事件)し、本裁判への速やかな併合を求めている。
本裁判は2010年に提訴されてから16年をへて、空港周辺住民の怒りを総結集し、機能強化・強制収用攻撃を直接撃つ訴訟へと進化してきたのだ。
60を超す傍聴席を埋めて開廷。大寄裁判長は「第4事件」を併合する意向であることを明言した。
続いて、横芝光町の住民Aさんが意見陳述を行った。
Aさんは成田A滑走路の南側から約8キロの飛行直下に住む住民で、1978年の開港以来騒音に苦しめられ、2023年に「眠れる夜と静かな朝をとり戻したい」という思いで、稲敷、成田、芝山、横芝光の4市町の仲間とともに原告となり、夜間飛行差し止めと損害賠償を求める裁判を起こし、昨年にこの空港拡張差し止め裁判の原告となった。
離着陸が午後11時までだった時はなんとか午前6時まで睡眠をとることができたが、19年に「運用時間1時間延長」が決められ、深夜0時まで大型貨物機や旅客機が上空を飛ぶようになると、11時に就寝できなくなり、健康をむしばまれていった。
NAAは「低騒音機しか飛んでないから問題ない」というが、それがまったくうそであることをAさんは騒音調査記録を示して強調した。
自宅に防音工事も行われたが、母屋は床下が高く、窓や屋根に工事をしても床下から騒音が入り効果がない。機能強化の説明会が16~17年に行われたが、一方的に空港拡張の経済的必要性をNAAが述べ立てるだけで、住民の意見など何一つ聞こうとしない。
日本の内陸空港では運用時間がおおむね午前7時から午後9時が基本とされており、世界でも夜間、早朝の飛行は禁止されている。そして現在のB滑走路よりも7キロも近い場所に第3滑走路ができれば、旧横芝町地区は広範囲に激しい騒音にさらされることになる。
最後にAさんは、近隣の住民とともに訴訟に加わった経緯を述べ、「私たち住民には、自分の命を護る基本的人権が保障されている。裁判官は私たちの切実な声に耳を傾け、成田空港の大拡張を認めた施設変更許可が違法で無効な処分であることを認めてほしい」と訴えた。
被告席に座る国とNAAの12人もいる代理人全員は陳述の間、Aさんの顔をまともに見ることもできず終始うつむいたままだ。

大寄久裁判長 千葉地裁民事第3部

続いて反対同盟顧問弁護団が、提出した準備書面に関連して、成田機能強化による航空機発着増加に伴い、温室効果ガス及び大気汚染物質の排出量の増加が懸念され、大々的な環境破壊が促進されることについて強く警告した。これに裁判長は内容も聞かずに時間制限をかけようとした。
次回期日を12月15日、次々回を来年2月12日と確認してこの日は閉廷した。
千葉県弁護士会館で報告集会が伊藤さんの司会で開かれた。
意見陳述を行ったAさんが「書面を読んでるうちに興奮して突っ走ってしまったが、なんとか終わった」と感想を述べ、空港行政と騒音への怒りの深さを表した。
さらに弁護団がそれぞれ発言し、第3滑走路予定地の地権者を含む住民がこの裁判に合流する意義の重大さを確認し、ともに強制収用攻撃を打ち破ることを訴えた。また天神峰・市東孝雄さんの耕作権裁判控訴審(東京高裁)、団結街道裁判控訴審(12月3日東京高裁)、土地明け渡し請求権時効裁判(10月1日千葉地裁)、それぞれの裁判闘争の意義を解説した。
成田市のBさん、稲敷市のCさんも傍聴した感想を述べ、Cさんは自らが騒音で健康を破壊され心臓手術を受けた時の苦しさを語り、「みなさんの力がないと勝てません」と奮起を促した。
最後に伊藤さんが、第3滑走路敷地内地権者農家との連帯を呼びかけ、10・11三里塚全国集会(成田市赤坂公園)への大結集を訴えた。(TN)

閉廷後に千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた(9月8日)

スケジュール
◎第2の開港粉砕!フィールドワーク 9月16日(水)午前10時 成田市天神峰 市東さん宅前集合 呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟
◎土地明け渡し請求権時効裁判 第1回口頭弁論 10月1日(木)午前10時30分開廷 千葉地裁
(市東さんの南台農地の一部についてNAAが、土地の明け渡し請求権の時効消滅を恐れて起こした訴訟)
◎10・11三里塚全国総決起集会 10月11日(日)正午 成田市赤坂公園 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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