特集
大坂正明同志は無実
調書は警察・検察のねつ造 大坂さん第4回公判
11月10日、大坂正明同志の第4回公判が東京地裁刑事第4部(高橋康明裁判長)で開かれた。この日は、1971年11・14渋谷闘争のデモ参加者SBの過去の公判証言の証拠採用手続きが行われた。
SBは故人であるため、検察官は1974年と76年、82年の星野同志、奥深山同志の4回の裁判の公判調書を証拠申請していた。
大坂同志がいない法廷で、しかも46年や40年も前に行われた証言が、そのまま証拠とされることなど不当極まりない。大坂同志の反対尋問権がまるごと奪われてしまっているのだ。ここにも、50年も前の闘争の裁判など成り立つわけがないことが明らかだ。
法廷では、2人の検察官が4回の公判で行われたSBの証言を延々と読み上げた。
SBは、高崎経済大学の学生で星野同志の後輩だ。渋谷闘争に参加、その5日後の11・19日比谷闘争で逮捕され不起訴釈放になった後、翌72年2月に渋谷闘争で事後逮捕された。その時すでに、群馬の学生を狙った無差別逮捕が強行されており、10人が逮捕されていた。
SBは検察側の証人に仕立てられたが、読み上げられた公判調書が明らかにしていることは警察・検察による拷問的取り調べの実態であった。SBは逮捕されてから、警察・検察に「殺人罪」で起訴するとおどかされ、その恐怖から虚偽の供述を迫られていたのだ。
また、大坂同志については、「渋谷に向かう電車の中で星野さんのそばにいたのを見た」「事件の翌15日に法政大学で行われた総括集会で演説したのを見た」とのみ証言している。しかし、SBはそもそも大坂同志とは面識がなかったこと、名前と写真は捕まってから警察官から聞いたことを証言しており、大坂同志に関する証言は警察・検察による捏造(ねつぞう)であることが明らかとなった。
次回(第5回)公判は、11月15日(火)午前10時開廷。デモ参加者AR(群馬高専)の証人尋問(検察側主尋問)が行われる。弁護側反対尋問は11月25日(金)の第6回公判。