特集
大坂正明同志は無実
大坂同志は無実 控訴審勝利へ⑤
2023年12月22日、東京地裁刑事第4部(高橋康明裁判長)は無実の大坂正明同志に懲役20年のでっち上げ有罪判決を出した。裁判で明らかになった事実を無視し、「何がなんでも有罪」という国家権力の意思を強引に貫いた判決であり、絶対に許さない。
一審判決の最大の特徴、犯罪性は、裁判での証言を否定し、53年前に検察官が取り調べで捏造(ねつぞう)した「供述調書」を元にして「事実認定」したことだ。
公開の裁判で行われた証言よりも密室で勝手につくりあげた「供述調書」の方が信用できるなど、デタラメにも程がある。
裁判で、大坂同志の無実が全面的に明らかになったことに驚愕(きょうがく)した裁判所が、その事実を否定するためになした暴挙であり、絶対に許せない。
AO、ITは否定
検察官が「大坂が殴打するのを目撃した」証人として証言させたのは、AO、IT、ARの3人である。だが、法廷でAO、ITは以下のように証言し、大坂同志の殴打行為は見ていないときっぱり否定した。
●AO
「11月12日も14日も大坂さんを見たことはなかった」「大坂さんとは(この法廷が)初対面」「記憶にないことが取り調べの中で調書になっていくことがあった」「検事さんも弁護士さんもなぜ記憶にないことを話したんですかって問いかけてくるんですが、あの取調室に一度入ってくださいっていうしかない」
●IT
「誰々が何をやったとか、回り込んでたたいたとか、すばらしい作文は向こうがつくったものです」「私は脅されて脅されて、とうとう、大坂さんが道案内だったという調書はとられているんですから。そのあたりで精神的に折れました」「お前が言えと、ずっと責められました」「お前が本当のことを言わない、隠していると、あれだけ密室の中で責められるとだんだん頭がおかしくなりました」「お前は殺人罪だとずうっと責められてました」
AR証言は総破綻
もう一人の証人ARが検察官の立証の柱であった。ARは闘争当時16歳、群馬高専に通う2年生の少年だった。11・14闘争の4カ月後に逮捕され、黙秘を続けたところ取調室で父親に殴られ、心の支えを失い、取調官の思惑通りの供述を行った人物だ。証人として出廷した中で、唯一「大坂を見た」と言い続けた。だがその供述は矛盾だらけで、言を左右にするでたらめぶりが暴かれた。決定的だったのは、デモ隊と機動隊が衝突した渋谷区の神山交番前で、「大坂がデモ隊の先頭から飛び出し機動隊員に殴り掛かった」という、検察官調書に記載された内容が、現場写真とまったく一致しなかったことだ。
こうして、「目撃供述」のでっち上げが裁判で明らかになったのだ。
でっち上げ粉砕へ
真実をねじ曲げて出された裁判所の判決は、中国侵略戦争下の国家権力による反戦闘争弾圧が貫かれたものだ。階級支配を揺るがした1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を絶対に許さない、今日の反戦闘争をたたき潰すためには「何がなんでも有罪」ということだ。反戦闘争と一体で国家権力を打倒する控訴審闘争を闘い、戦時弾圧を打ち破ろう。
控訴審では、心理学者による「供述分析」や心理学実験をも駆使し、警察・検察が捏造した「目撃供述」のうそを全面的に暴く。少年らが見てもいない(知りもしない)大坂同志を「殴打現場で見た」ことにした供述調書は全く真実の記憶に基づかない。大坂同志の服装も容貌(ようぼう)も一切語らず、行動すらバラバラで矛盾だらけだ。これを「大坂を見たという核心において一致している」などと言えるのか。こんな一審判決は、およそ裁判の名に値しない。東京高裁は事実調べを行え! 無実の大坂同志を今すぐ解放しろ!
米日帝国主義の中国侵略戦争阻止へ、安保・沖縄闘争の巨大な発展を切り開こう。11・2全国労働者集会に攻め上り、労働者階級の力で大坂同志を奪還しよう。(シリーズ終わり)