南アで燃料・食糧高騰に抗議し24時間ゼネスト
8月6日、南アフリカ共和国で、燃料や電気、食糧の高騰に反対する24時間の全国ストが闘われた。交通機関は全面ストップし、鉱山や工場は生産停止となった。首都のケープタウンやヨハネスバーグなど大都市では、それぞれ数万の労働者がデモに参加した(写真)。ストを呼びかけたのは南ア労働組合会議(COSATU)で、「ストは、資本による全世界的投機によって引き起こされている価格の高騰に抗議するものだ」と表明している。しかし、今回のストは、じつは民衆の激しい怒りをガス抜きしようとする同組合の幹部の意図で計画された。労働者民衆の怒りがそうした「ガス抜き」をはるかに超えて大闘争として闘った結果、強力なゼネストとなったのだ。
南アでは、少数派の白人が支配するアパルトヘイトと呼ばれた人種差別の政治体制が、ネルソン・マンデラを代表とするアフリカ民族会議(ANC)を先頭とする長期にわたる闘争で打倒された。そして1994年に全人種参加の選挙を実現、それ以来ANC政権が支配している。しかしANC政権は、「民族・民主革命」の名のもとに、民族ブルジョアジーを育成し、ブルジョアジーに全権力を委ねる政策をとってきた。そして、この政権の実体をなしているものこそ、ANCそのものと今回ストを呼びかけた南ア労働組合会議と南ア共産党のいわゆる「戦略的三角同盟」だ。この三角同盟のもとで、きわめて系統的に帝国主義の資本導入と新自由主義政策がおこなわれてきたのだ。共産党が新自由主義政策の反対者であるどころか積極的推進者であることが、南アでは最も典型的な形であらわれている。ゼネストを貫徹した南アの労働者階級人民にとって、この新自由主義の先兵=共産党を打倒して前進しないかぎり未来はない。(に)
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