インドで1億人がゼネストに決起!
9月7日、インド(人口約12億)で1億人がゼネストに決起した。インドの9つの主要組合が統一して呼びかけ、西ベンガル州やケーララ州を中心に全国で官民一体の根こそぎ決起のストライキである。公共サービスのみならず、自動車製造、炭坑、電力、銀行、保険、航空産業、交通、船舶、そして軍需産業の労働者も参加した。さらに技術者、織布、肥料、化学、造船、そして医療や交通部門の契約社員たちもストに決起した。
ストの目的は物価上昇、民営化、外資への投資、非正規化、外注化そして政府の労働政策への抗議である。決起した労働者たちは最近作られた非正規労働者への援助制度への100億ドルの積み立て(現在は2億ドルにすぎない)を政府に要求した。
インドは中国やブラジルと並ぶ新興工業国BRICsの一角を占める資本主義の最後の命綱である。この政権を運営しているのは04年に政権を奪回した「中道左派」のインド国民会議である。しかし「インド経済の発展」がもてはやされている裏側で、インド労働者は低賃金な上に物価の上昇に苦しめられているのだ。インド政府はガソリンの値上げまで強行した。他方で政府は大企業に数十億ドルの減税を行い、その恩恵を受けた資本家たちは厚顔にも政府にさらに激しい大衆収奪を要求するという具合なのである。
今回ストへの参加を決めたインド全国労働組合会議(INTUC)も国民会議派の組合であり、直前までストへの参加を否定していたが、労働者の怒りの高まりの中でストへの参加を決定した。
ストに決起した自動車労働者は「われわれは地域で数万の労働者の組合だが承認されない。賃金は月にたった76ドルから86ドル(約7000円)。トイレも400人で1つしかない。安全対策がなくて多くの労働者がけがをしている。労働時間もとても長い」と訴えている。マドラスゴム工場の労働者も「われわれは92年から組合結成のために闘ってきたが、活動家は解雇され、いまだに組合は承認されない。賃金は安く、何人も自殺に追いやられた。このような状態が続くのなら、われわれは他の産業の労働者とも手をつながなければならない」とスト決起の目的を語っている。
インドのゼネストは帝国主義がもてはやしているBRICsで労働者がどれだけ搾取され怒りを燃やしているのかを示し、同時に新自由主義の拡大がこうした諸国でのプロレタリア革命の条件を確実に拡大していることをまざまざと証明している。正規職のゼネストへの決起が非正規職の決起を引き出している点も決定的である。まさに世界は革命情勢だ。菅政権はインドとEPA(経済連携協定)を結ぼうと狙っているが粉砕あるのみである。世界の労働者と団結して、11月労働者集会に向けて全力でがんばろう!(SG)
写真①はストに立ち上がった銀行労働者。②は会社の前でピケットを張る生命保険会社の労働者。③はスト決起集会を行うタミル・ナードゥーの労働者たち。
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