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黄色いベスト運動1周年 フランス 怒り集め12・5ゼネストへ

社会の根底的な変革求める闘い

「(政府や資本家の)諸特権を終わらせ人民への権力のために」――手書きの大きな横断幕を掲げ、最低賃金の引き上げや公共部門の全面的な見直しを求めてデモに立つ人々の声が響いた(11月16日 パリ) 

この日パリでは、数カ所でのデモ禁止を打ち破って参加者の一部が高級百貨店を占拠。地下鉄などの30以上の駅が封鎖された。
闘いは首都にとどまらず全国でも組織され、とりわけ地方では都市と経済格差に対する怒りが爆発した。低賃金、膨大な数の失業者――「取り残された」という感覚が地方を覆っている。ボルドーで運動の出発点であるロータリー占拠行動を続ける元教育労働者は、「ここでは、原発で働くか(低賃金の)ワイン畑で働くかという選択肢しかない。1年前に立ち上がったのは、よりよい社会をつくらなければいけないという思いから」と語った。
 マクロン政権による燃料税の引き上げを契機とした「黄色いベスト」運動の開始から1年を迎えた11月16日、パリをはじめフランス全土で大規模な行動が闘われ、約4万4千人が行動に立ち上がった。毎週土曜日の行動は今回で53回目となり、権力を手にした一握りの富裕層が労働者民衆を貧困に突き落として利益をむさぼる社会の根底的な変革を掲げて発展している。
 深く広い労働者人民の怒りに恐怖したマクロンは、弾圧を一層エスカレートさせている。16日には機動隊や憲兵隊が催涙ガスや放水でデモ参加者を攻撃。多くの人々が負傷し、ある人は片目を失明した。パリだけで173人、全国で254人が尋問のため連行され、78人が身柄を拘束された。
運動開始から今年6月までの拘束者総数は1万人。うち5300人が起訴され3千人以上が有罪とされた。10月4日時点での負傷者総数は約2500人に上り、警察が使用した武器で24人が片目を失明し、5人が腕を失った。これはまさに階級戦争だ。フランス労働者階級は、香港の青年・学生と同様に命がけで政府と対決して闘っている。
労組の闘い軸にゼネスト決行へ
フランスでは現在、全国で労働者人民が多様な運動体を立ち上げて闘いを開始している。その先頭に立っているのが、体制内労働運動の壁を内側から打ち破り、労働組合のもとに団結して闘う労働者たちだ。12月5日には、年金制度改革などをテーマとした全国一斉の抗議行動が計画され、さまざまな産別の労働者がゼネラルストライキに立ち上がろうとしている。
その中軸に、フランス国鉄(SNCF)の労働者たちがいる。昨年4月から数カ月闘われた国鉄ストは、組合幹部により「週5日のうち2日のスト」という枠内に限定され影響力をそがれてしまった。この闘いを現場から乗り越えることが今回の課題だ。積年の緊縮政策に抗し、公立病院の医療労働者や教育労働者も新たな決起を開始している。
そして、黄色いベスト運動もゼネストに合流しようとしている。ろうそく革命に向かう過程の韓国で実現したようなダイナミックな闘いが進行しているのだ。
生きていけない現実は、未来の労働者である学生にも襲いかかっている。リヨンでは今月、ある学生が、学生の置かれている不安定な状況に抗議して自らの体に火を放った。現在、複数の大学で学生が学生食堂の無償化などを求めて占拠闘争に突入。同様にゼネストに合流する予定だという。
フランス労働者民衆の決起に学び連帯して闘おう。

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