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韓国・現代自動車で非正規職撤廃求め蔚山工場を包囲

s20121030b-2.jpg 10月26日、金属労組は、現代自動車蔚山(ウルサン)本社工場に対する包囲闘争に立ち上がった。蔚山工場では、10月17日夜以来、現代自動車の2人の非正規職労働者が正規職化を要求して高さ50メートルの送電塔に上がり、高空籠城闘争を闘いぬいている。この日午後4時30分から送電塔の下で、金属労働者決意大会が開かれた。工場正門前からデモ行進し、700人に膨れ上がった決意大会だ。これに先立ち、蔚山、牙山(アサン)、全州(チョンジュ)の現代車3工場の非正規職労働者約400人が工場正門前に結集、蔚山工場非正規職支会のカンソンヨン首席副支会長が「今年は必ず正規職化をかちとり、工場に堂々と帰ろう」と檄を飛ばした。さらに3工場の非正規職組合員1000人はこの日夜、全面ストライキに突入し、27日明け方まで徹夜の座り込みを敢行した。 

s20121030b-1.jpg 高空籠城闘争に突入したのはチェビョンスン、チョンウィボンの2人の非正規職組合員だ。「大法院の判決どおり非正規職労働者を即刻、正規職に転換しろ」がその要求だ。2010年7月に大法院は「製造業社内下請は不法派遣」の判決を出したが、現代資本はそれを無視し、社内下請労働者に非正規雇用を強要し続けた。これに対して2010年11月、蔚山本社工場の25日間の占拠・籠城闘争が非正規職組合によって闘われた。牙山、全州工場でも非正規職支会が占拠闘争などを展開し、大資本下の非正規化攻撃との全面激突の闘いを不退転に展開した。
 2012年2月、チェビョンスン組合員に対する大法院の最終勝利判決が出され、中労委も「社内下請の解雇は無効、不当解雇ですでに正規職」と判定したにもかかわらず、資本は正規職への転換を拒否したままだ。現代資本はこの夏になって「3千人の新規採用」をペテン的に打ち出したが、それは非正規職労働者8千人の半分にも満たない数の上、非正規職の撤廃ではなく継続を意味する新たな分断攻撃だった。こうした現代資本に対する非正規職労働者のやむにやまれぬ叫びが送電塔へのろう城闘争になったのだ。海岸近くの吹きすさぶ寒風の中、鉄塔に体を縛り付け、ベニヤ板の上での籠城だ。
 1998年韓国のIMF危機で、韓国資本と金大中政権は整理解雇制度導入に続き労働者派遣法を改悪し、非正規職の量産攻撃を加えてきた。これに対する反撃は苦闘を重ねたが、あらゆる職種で闘いはまき起こっていった。そうした中で、韓国を代表する巨大資本、現代自動車でも非正規職化された労働者が会社側のテロ攻撃に対決し、2003年3月に牙山工場下請支会が、2004年10月には全州工場非正規職支会が結成され、蔚山工場でも遅れて支会が結成されて、現代自動車3工場のすべてで非正規職組合が誕生した。そして激しい弾圧と対決しながら、法廷闘争をも展開し、ついに大法院で不法の判決をかちとったのだ。韓国の1千万非正規職労働者と、闘う労働者のすべてが歓呼の声でこれを迎えた。
 高空籠城闘争を闘う2人は、塔の上から「会社は非正規職労働者をホコリのように、虫のように取り扱ってきました」と弾劾し、「非正規職撤廃闘争10年、今度が最後だという覚悟でストライキ闘争をしています」「すべてを賭けて鉄塔に上がりました。必ず勝ちたいです」と訴えている。そして、組合員の固い団結と連帯があれば勝てるとの確信を表明している。
 現代自動車非正規職労働者の正規職化要求=非正規職撤廃の闘いは、韓国労働者階級の不屈の闘いの象徴となり、鉄道労組など公共部門の労働者の民営化阻止の闘いと並んで、現下の資本との攻防の中心軸をなす闘いとなっている。この闘いと連帯し、11・4労働者集会の大成功を闘いとろう!(YN) 

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