中国バブル崩壊が進行 賃上げを求め港湾労働者がストライキ
中国でバブル経済の崩壊が本格化している。7月に入ってから、中国の不動産販売総額は前月比約30%減、今年最大の下げ幅。そして主要70都市のうちの半数の35都市の住宅価格が下落した。
そして中国最大の不動産会社「万科集団」が、自社物件の投げ売りを始めたという。もはや値引きで経営を維持することが困難な状況に入っているのである。この事態は衝撃を持って受け止められている。明らかに中国のバブル経済の崩壊が新たな段階に入ろうとしているのだ。
こうした中で8月25日、河北省邯鄲市で多数の不動産融資会社が倒産し、不動産に投資していた人々ら1000人がこの事態に怒り、市共産党委員会をとりまいて交通を遮断して抗議し、逮捕者も出るという事件が起きている。これも中国のバブル崩壊が生み出している現実である。
バブル崩壊が進み中国経済が破局を深める一方で、インフレは進行し、7月の消費者物価指数は前年同期と比べて2.3ポイント上昇。労働者の生活を圧迫している。こうした中で、賃上げを求める労働者のストライキが連日のように次々と爆発している。
8月18日には、浙江省寧波市の北崙埠頭でコンテナ車のドライバー数百人がストライキに突入した。8年以上上がらない運送費の値上げを求めてのストライキである。翌19日には寧波市の60%のコンテナ車のドライバーが次々とストに参加し、その数は数千人にふくれあがり、さらに1万近くにまでなった。彼らは北崙埠頭各地の貨物堆積所の入り口を封鎖した。主要な港湾への道路には鉄釘をまいたので、多くのスト破りのコンテナ車がダメになり、コンテナ積み上げ作業がマヒした。
21日に至り、警察は2人の労働者を逮捕。これに怒って数千人の労働者と数百人の警察隊が全面的に激突した。多数のコンテナ車と警察車両が破壊され、さらに多数の逮捕者が出たという。
また同じ8月18日には、コンピューターの基板などをつくっている広東省中山市の工場で、賃上げなどを求めて5000人の大ストライキが爆発した。労働者はデモに出て警察隊と激突。少なくとも6人の逮捕者が出たが、ストライキをさらに継続している。
こうした労働者の闘いが、バブル崩壊と賃下げ、インフレの攻撃に対して、来る日も来る日も起きているのである。今後金融恐慌へと事態が発展すれば、こうした中国の労働者の闘いは、さらに一層爆発することは必至である。この中国の労働者との国際的団結の形成が今こそ求められている。郡山決戦を爆発させて国鉄闘争をさらに一層推進し、11月集会の爆発を勝ち取り、この闘いの中で、中国の労働者階級との連帯をつくりあげていこう!(K)
写真は、
①多数の不動産融資会社の倒産に対して、邯鄲市共産党委員会を包囲して抗議する投資家たち(8月25日)
②ストに突入し、寧波市の港湾に集まって停まっているコンテナ車の群れ(8月18日)
③ストを闘い抗議する寧波市港湾のコンテナドライバー(8月18日)
④警察と激突し、逮捕されながらも抗議する寧波市港湾のコンテナドライバー(8月25日)
⑤ストライキに突入した中山市のコンピューター基板工場の労働者たち
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