ベルリンで労働者13万人がドイツ政府の医療政策に抗議
9月25日、ドイツの首都ベルリンに全ドイツから病院組合・公務員組合・統一サービス産業労組などの看護師・医師ら13万人が集まって集会とデモを行い、政府の医療・病院政策に激しい抗議の声をあげた(写真)。この13万人という数字は主催者の予想の2倍で、医療関係者の全国結集としてはドイツ史上最大だ。全国から貸し切りバスや特別列車を仕立てて結集する人たちも多かった。青年層やまだ勤めて日が浅い若い看護師たちが非常に多かったのも一つの特徴だ。
参加者たちが一番問題にしているのは、薬価や経営コストがたえず上昇しているにもかかわらずドイツ政府が公立病院への支出を減らしているために、病院の3分の1が倒産の危機にあるという現状だ。そのため経営は、要員をどんどん減らしている。いまベルリンでは4万5000人の医療スタッフで70万人の患者を看ているが、この10年で医療スタッフが1万5000人も減っている。その間に患者数が13%も増えているにもかかわらず、である。病床数も、ドイツ再統一時の1990年からベルリンだけで2万3000減らされた。クリスティアーネ・エールマンさん(事故災害外科の看護師)は、「仕事が残酷なほどに過重です。ですから、1日が終わったとき『ああ今日も事故を起こさなくてよかったなあ』と思う毎日なんです」と言った。エールマンさんの職場でも、過労のため経験のある医師・看護師が次々とやめているので、残った人とまだ経験の浅い人で職場を回しており、とても危険な状態だという。
秋晴れのその日、ベルリンの中央広場と主要な街頭は、医療労働者の分厚い隊列でぎっしりと埋めつくされた。
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