現代車工場占拠スト6~8日目/「生きて必ず正規職になって見せよう」
11月20日午後、蔚山工場前で民主労総嶺南(ヨンナム)圏決意大会が開かれた。この日は朝8時から48時間全組合員共同行動が始まる中、昼前には退去命令書を持ったカンホドン現代自動車副社長が部隊を使って第1工場に侵入、激しい肉弾戦が闘いぬかれていた。工場占拠中の蔚山非正規支会のイサンス支会長からは「きょうの午前にも一勝負あったが、現代車支部(正規職労組)の仲間たちが見せてくれた連帯の姿なら、必ず正規職化の勝利をかちとれる」との声が届いた。その舞台上で蔚山第4工場のファニナ組合員(34歳)が「現代自動車は交渉に応じろ」と焼身に及んだ。釜山の火傷専門病院に移送される際もファイナ組合員は「労働者は一つだ」「トゥジェン(闘争)!」と叫んだという。
第1工場内では報告集会が開かれ、組合員たちは泣きながらファイナ同志の快復を祈るとともに「もう誰も死ぬのをやめよう。生きて必ず正規職になって見せよう」と誓い合った。
翌21日、工場前では48時間共同行動2日目の集会が開かれた。野宿闘争を続けている第2、第3、第4工場の組合員たちが次々に発言し、自分の発言を通じて闘争を決意する。非正規支会では小グループを作り、多様な問題を論議しながら門前座り込みや地域宣伝戦を繰り広げている。工場内からは電話でキムソンウク第1工場代表が「ストライキ7日目だ。退くことなく工場を死守している。人間らしく生きるために仲間を信じ、自分を信じて力強く闘っている。私たちを信じて連帯してほしい。動揺することなく、屈することなく闘う」と訴えた。
この日、民主労総と金属労組、現代車支部が工場前で記者会見を行い、「現代車経営陣に対し金属労組との直接交渉を行うことを強く要求した。
金属労組はゼネストなどの総力闘争で非正規職闘争に集中することを宣言し、22日に忠北道で開催予定だった定期代議員大会を急きょ、蔚山市内に変更した。
工場占拠スト8日目の22日、家族対策委員会の家族がコンテナが積まれた門前に集まり、「暴力中断! 食物搬入保障! 医療陣の出入り許容!」を要求する記者会見を行った。550人が座り込んでいる第1工場内には食料も届かず、18日からは暖房が止められ、22日には水も止められた。家族たちは「暖かいご飯を一食でも食べさせたくて家族対策委をつくった」と切実な思いを語り、「現代車は非正規職労働者の正当で切迫した要求を1日も早く受け入れ、社会的企業としての責任をまっとうしろ」と要求。持参した暖かい食事を中に入れるように要求したが、フェンスは固く閉じられたままだった。
この日、大検察庁公安部は「蔚山工場の非正規職労組のストライキは不法」とし、その根拠として「ストの目的は正規職転換で勤労条件とは無関係」「労働者の地位確認要求はストの目的にはならない」などという暴論をあげた。中央労働委員会も現代車は社内下請け非正規労組の直接交渉の対象ではないと、現代資本救済に躍起になっている。
現代自動車非正規職の3支会長は蔚山第1工場に集まり、今回の闘争目的が現代車との不法派遣問題での交渉実現に置き、そのためにストを一層強化することを決めた。カンソンヒ全州支会長は「現代車支部が決定的な役割をしている。1工場座り込みを維持・保護して全国闘争にしなければならない。基本は第1工場を死守して全州工場と牙山工場でストライキをしていくことだ」と語り、ソンソンフン牙山支会長も「私たちは正規職の連帯を信じる。牙山では6班正規職40人中、2人以外は残業を拒否した」と紹介した。
現代車の非正規職労働者はほとんど20代後半から30代半ば、このまま非正規職で一生を暮らすのか、NO! 自らの力を自覚した労働者の団結が現代資本を揺るがしている。(M)
写真は上から、①20日蔚山工場前 ②21日蔚山工場前 ③④22日、家族対策委 ⑤非正規職3支会長(左からイサンス蔚山支会長、ソンソンフン牙山支会長、カンソンヒ全州支会長)
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